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作業療法士の転職体験談

【作業療法士の仕事の本音】キャリア9年ベテラン女性の転職体験談

作業療法士 仕事の本音

(キャリア9年の作業療法士の方にお仕事の本音と転職体験談をお聞きしました)

今回は、作業療法士として9年以上の実務経験を持つ女性の方に、お仕事の体験談をお聞きしました。

佐藤さんは、総合病院で3年間・介護老人保健施設で3年間・訪問看護ステーションでの訪問リハビリで3年間の経験があるベテランの作業療法士さんです。

(※今回は、介護老人保健施設での仕事内容についてくわしくお聞きしました)

作業療法士の仕事の本音やお給料の実態などについてお話しいただきましたので、ぜひ参考にしてみてください。

この記事の目次

作業療法士の仕事の本音は?私の仕事体験談

体験談をお聞きした方のデータ

  • お名前  :佐藤麻衣
  • 現在の年齢:34歳
  • キャリア :9年目(3カ所で働いた経験あり)
  • 雇用契約 :正社員
  • 当時の年収:年収330万円
  • 勤務先規模:入所100名・通所30名の中規模介護老人保健施設

私は、25歳のときに入所100名・通所30名の中規模介護老人保健施設に作業療法士として転職しました。

その前は病院で作業療法士として働いていました。現在は訪問介護ステーションで訪問リハビリの仕事をしています。

実際に一緒に働いていたのは、理学療法士が3名・作業療法士が5名です。

介護老人保健施設としては、平均的な職員数だと思います。

一緒に働いた人たちはどんな人たちですか?

職員は全員女性で、年齢層は30~50代が多かったです。

20代の職員は私1人でした。

病院では20代~30代の職員が多く在職していたので、介護老人保健施設に転職した際は、年齢層が高い職場だと感じました。

また、育児中の職員が半数を占めていました。

職員の入れ替わりは頻繁にありましたか?

職員の入れ替わりは、私が勤務していた4年間で1度もありませんでした。

在職中に育児休暇が終わり復帰した職員もいましたね。

職員皆さん笑顔で迎え入れていて、とても働きやすい職場だと感じていました。

介護老人保健施設にはどんな人たちが入所していますか?

老人保健施設には、病気やケガ・加齢などが原因で歩行や日常生活動作が難しくなっている方が入所されています。

日常生活動作とは、具体的には食事・更衣・排泄・整容・入浴・家事などを指します。

作業療法士の仕事内容は、こうした方々の機能訓練を行う仕事です。

リハビリをすることでできることが増えたり、今まで不自由に感じていたことが以前より行いやすくなったといってもらえたりした時は、とてもやりがいを感じます。

介護老人保健施設での作業療法士の給料に不満はありましたか?

介護老人保健施設に所属していたときの給料は年収330万円・月給22万円でした。

病院で働く作業療法士はもう少し高年収ですので、当時は「やや不満を抱えながら働いていた」というのが仕事の本音です。

しかし、当時の同年代の友人と比べるともらえている方だったので、すごく不満ということはありませんでした。

当時のお給料の具体的な内訳を教えてください

月給22万円の内訳としては以下の通りです。

  • 基本給 :20万円
  • 残業代 :平均1万円
  • 資格手当:1万円
  • 月給合計:22万円

ボーナスとして、年に平均3ヶ月分の基本給の金額が支給されました。

↓年収に換算すると以下のようになります。

  • 基本給 :月給22万円×12ヶ月=264万円
  • ボーナス:月給22万円×3ヶ月分=66万円
  • 年収合計:264万円+66万円=330万円

介護老人保健施設で働いていた当時の年収にやや不満があった理由は、しれ以前に勤務していた病院では月給25万円をもらっていたためです。

作業療法士として勤務経験を積んだにも関わらず、その時より給料が低くなってしまったのは、本音ではちょっと残念でしたね。

しかし、勤務した介護老人保健施設はとても人間関係が良かったです。

また、仕事を自分のペースで行えるゆとりのある環境だったので、総合的にみて良い職場だと感じるように気持ちが変わっていきました。

作業療法士が働く場所の選択肢は大きく分けて3つ

作業療法士 仕事の本音

(作業療法士が働く場所の選択肢は?)

↓作業療法士が働く場所の選択肢は、大きく分けて以下の3つに分かれます。

作業療法士の勤務先の選択肢3つ

  1. 病院
  2. 介護老人保健施設
  3. 訪問リハビリ

私はこの3つの全部をひと通り経験しましたので、それぞれの勤務先での仕事内容の特徴をお伝えします。

病院勤務の作業療法士はかなりきつい

病院で勤務していた時は年収350万円、訪問リハビリをしている現在も年収350万円です。

どちらも介護老人保健施設よりは給料が高いです。

ただし、残業の多さや仕事量の負担、精神的ストレスは介護老人保健施設に比べるとかなり大きいというのが本音です。

病院勤務の頃は、常に急いで患者様を迎えに行き、リハビリをしたらすぐに次の患者様のところへ行かなければ回らない・・・といったように、1日中せわしなく働いていました。

病院では残業も月10時間ほどありました。

介護老人保健施設では定時で帰れる日がほとんどですので、仕事による疲労もものすごくありました。

病院ではやはり忙しい分、職員もピリピリしていますね。

人間関係もかなりつらかったというのが本音です。

介護老人保健施設の作業療法士は比較的まったりと働ける

その点、介護老人保健施設ではプライベートの時間もすごく充実させることができていました。

職場や仕事上のストレスはほとんどありません。

仕事に力を入れて経験を積みたい・稼ぎたいという方は病院や訪問リハビリが適しているかもしれません。

自分のペースで働きたい・プライベートの時間も大切にしたいという方は介護老人保健施設が適した職場となると思います。

作業療法士はどうしたら年収をアップさせることができますか?

作業療法士の給料がアップするのは、役職手当や資格手当をもらうタイミングですね。

私が勤務していた職場では、主任になると役職手当が1万円、その上の科長になるとさらに役職手当が1万円加算されていました。

資格手当では、ケアマネージャーの資格を取得すると、資格手当が1万円加算されます。

作業療法士の求人を見るときには、こういった諸手当がどのように付与されるのかをチェックしておくと良いと思います。

介護老人保健施設での具体的な作業療法士の仕事内容を教えて下さい

通所(デイケア)・入所の利用者のリハビリを行うのが、介護老人保健施設での作業療法士の仕事です。

↓勤務していた介護老人保健施設では、以下のように担当が分かれていました。

  • 入所のみリハビリ担当
  • 通所のみリハビリ担当
  • 入所・通所両方のリハビリ担当

私は入所・通所両方のリハビリ担当をしていました。

入所のリハビリの場合は、1週間に1回の個別リハビリと2回の集団リハビリを行います。

個別リハビリはその名の通り、その方に必要なリハビリを行います。

また、集団リハビリでは、何人かの利用者様を集めて、体操や散歩、玉入れ等のレクリエーションを行います。

通所のリハビリの場合は、担当している利用者様が通所している日に個別リハビリを行います。

介護老人保健施設での1日の流れはどのような様子でしたか?

↓具体的な1日の勤務の流れとしては、以下のような感じです。

  • 9時〜10時:入所者のリハビリ
  • 10時~15時:通所者のリハビリ
  • 15時~17時:入所のリハビリ
  • 17時~18時:事務作業をして退社

利用者の年齢層は80~90代が多く、まれに60代の方が来られるという感じです。

要介護度は、入所の方と通所の方とで違いがあります。

入所の方の場合は自宅で生活することが困難な場合が多いので、通所の方に比べて介護度が高いのが特徴です。

入所の利用者様の介護度は、要介護4~5が多く、通所の利用者様は要支援1・2、要介護1~3の方でした。

利用者の疾患についてはどうですか?

疾患は、脳梗塞を患って入所・通所を利用することになった利用者様が多かったです。

骨折や変形性股関節症などの整形疾患、認知症、統合失調症などの精神疾患の方もいました。

介護老人保健施設では、胃ろうや人工呼吸器装着といった医療行為に対応することが難しいです。

私が勤務していた介護老人保健施設でも医療行為の対応が必要な方の受け入れは行っていませんでした。

そのため、難病の方やガン等の症状が悪化してしまう可能性のある疾患の方は少なかったです。

老人介護施設で働く作業療法士の働く時間や残業・休日出勤

勤務時間は9時~18時の間で、そのうちの1時間が昼食休憩です。

入職当初は月~金曜日出勤、土日休みの週5日勤務でしたが、途中から通所のみ土曜日もリハビリを行うことになりました。

私は入所・通所両方のリハビリ担当でしたので、土曜日も出勤することになり、変わりに平日のどこか1日お休みを頂いていました。

土曜日出勤となっても、賃金が割増になるということはなく、変わらず月給は22万円でした。

介護老人保健施設ではイレギュラーな休日出勤はありましたか?

介護老人保健施設では年2回、利用者様ご家族をご招待した大きなイベントがあります。

それが、夏祭りと敬老会です。

どちらも土曜日に行っていたのですが、通所を担当していない職員は休日です。

ですが、その日は2時間出勤をしてお手伝いをしなければいけませんでした。

これは、ボランティア扱いだったため給料は発生しません。本音では不満を感じている人もいたと思います。

個人的には、利用者様のいつもと違う楽しそうな表情が見れて、職員にとっても楽しい思い出です。

介護老人保健施設では月にどのくらいの残業がありましたか?

残業は、月に5~6時間程度で、すごく少ない印象でした。

残業代は、残業した分すべて給料として出ました。

残業内容としては、月末に提出する書類の作成と、次の日のレクリエーションの準備が主です。

介護老人保健施設は働き方にゆとりがあるので、隙間時間に書類の作成やレクリエーションの準備が行えてしまうため、残業時間が少ないのです。

残業の少ない介護老人保健施設は、既婚者・子育て中の職員にとっても、すごく働きやすい職場だと思います。

どのような資格を持っていると作業療法士の転職に有利ですか?

作業療法士の免許以外に持っていると有利になるのは、「ケアマネージャー」と「福祉住環境コーディネーター」です。

ケアマネージャーや福祉住環境コーディネーターの資格を持っていると、介護保険制度や福祉用具に関する知識が深められます。

ケアマネージャーでは特に制度の内容が多く、福祉住環境コーディネーターでは福祉用具や住宅改修等の実践的な知識が多く含まれます。

私が介護老人保健施設に転職を考えたきっかけは、病院勤務をしていた頃に退院した方は自宅で不自由なく生活が送れたのだろうかと気がかりに感じたことからでした。

そのため、自宅で生活している方が利用する通所のある施設へ転職を決めました。

転職する前に、福祉用具や住宅改修の知識を深めようと思い、福祉住環境コーディネーターの資格を取得しました。

実際に介護老人保健施設で働いた時に、住宅改修に関わることも多くあったので面接で有利になるだけではなくとても役に立った資格でした。

作業療法士の転職面接ではどのようなことが質問されますか?

↓作業療法士の転職面接では以下のようなことが質問されるケースが多いです。

作業療法士の転職面接での質問例

  • なぜ作業療法士の仕事を選んだか
  • 今までリハビリをしたことのある疾患は何か
  • あなたの長所と短所は何か
  • 仕事をしていてわからない知識が出た時には、あなたはどう対処するか
  • この仕事で楽しいと思うときはどんな時か
  • なぜ前の職場を辞めて転職をしようと思ったのか

「今までリハビリをしたことのある疾患は何か」や「なぜ転職をしようと思ったのか」という質問は、経験者の転職でのみ聞かれる項目だと思います。

作業療法士の仕事が「楽しい・やりがいがある」と感じる瞬間は?

楽しい・やりがいがあると感じる時は、やはりリハビリをしてできることが増えた時に一緒に喜び合えることです。

以前担当していた利用者様で、「トイレから立ち上がれず、奥さんに引っ張ってもらうんだけど、迷惑をかけて申し訳なくて限界までトイレを我慢しているんだ」という方がいました。

いわゆる「老々介護」をしていた方で、奥さんも高齢で足腰の痛みがあったりする様子を見ると、お願いすることが申し訳なかったのでしょう。

リハビリで立ち上がりの練習をして1人で立ち上がれるようになったときは、ご本人・奥さんの嬉しそうな表情は今でも忘れられません。

作業療法士の仕事で「ここがつらい・しんどい」という点を本音で教えてください

仕事をしていて最も辛いと感じる時は、障害を負い自暴自棄になっている方と接する時です。

ほとんどの方は「リハビリをしてこうなりたい」と、リハビリに対して希望を持ってくださっています。

しかし、病気で急に手足に麻痺が生じてしまったり、急に起き上がることさえ困難になってしまった方から「リハビリをしても治らない」「これから私の人生どうすれば良いのか」など絶望的な感情をぶつけられる場合もあります。

そのような時は「今は辛い気持ちでいるんだな」「気持ちを本音で伝えてくれたんだな」と思うようにしています。

より親身に接するようにしたり、重い障害を少しでも早く良くできるように研修に参加したりして、自分のモチベーションを保つ必要があります。

作業療法士に多い転職の理由は何ですか?

作業療法士は転職する人が多い職種です。

そのほとんどが、「様々な分野で経験を積むため」という理由で転職をしていきますね。

私が初めに勤務していた病院の同期も、病院で3~4年目働いた後、介護老人保健施設か訪問リハビリに転職しました。

急性期・回復期・慢性期の3つすべての仕事を経験するために転職する

↓作業療法士の仕事内容は、以下の3つに別れます。

  • 急性期:病気を患い病院で治療をする段階
  • 回復期:施設や自宅へ退院し更に機能回復を目指す段階
  • 慢性期:その後ある程度年数が経った段階

この3つの時期に分けてリハビリテーション目標や内容が変わるのですが、1つの場所で勤務するだけではすべての経験は積めません。

例えば、病院勤務の作業療法士は急性期の仕事しか経験できないといった具合です。

これらすべての仕事内容を経験するために、スキルアップを目指して転職をする人が多いのです。

作業療法士の仕事に向いている人は、どんな人だと思いますか?

人の気持ちを考えられ、何か力になりたいという気持ちを持ち続けられる人だと思います。

病気になり、個人差はあっても皆さん気持ちの落ち込みが大きいです。

その気持ちに寄り添い、声掛けや接し方ができる人が利用者様と良い関係が築け、結果的に良いリハビリ効果をもたらせます。

作業療法士は、そのような方と多く関わるため、利用者様のことで悩むこともあります。

そのため、ストレスを抱え込みやすい人は向いていないかもしれません。

忙しさや仕事のストレス等から、リハビリだけを提供しているような声掛けや接し方になってしまう場合、利用者様と意思疎通があまり図れていないことがほとんどです。

それでは、利用者様の意欲も出にくくなってしまいます。

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