臨床検査技師の転職体験談

臨床検査技師の仕事はつらい?大変?実務9年目の医療現場の体験者に聞きました!

臨床検査技師 仕事 つらい

(臨床検査技師の仕事はつらい?大変?実務9年目の男性にお仕事内容や転職の体験談をお聞きしました)

今回は、臨床検査技師として仕事をされている高杉さんに、お仕事の体験談をインタビューしました。

高杉さんは、従業員数230人の中規模医療施設で臨床検査技師として9年以上のキャリアがある方です。

↓以下のような「この業界を目指す人がちょっと気になっていること」についても突っ込んでお聞きしました。

  • 臨床検査技師の仕事はつらい?大変?
  • 年収は勤務何年目でいくらぐらいになりますか?
  • この仕事に向いている人・向いていない人はどんな人?
  • 早期に辞めていく人もいる?よくある退職理由は?

これから臨床検査技師として働くことを目指す方のお役に立つ内容になっているかと思いますので、ぜひ参考にしてみてください。

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この記事の目次

臨床検査技師の仕事はつらい?私が体験した仕事内容

体験談をお聞きした方のデータ

  • お名前 :高杉俊介
  • 在職年齢:2010年〜(35歳〜)
  • 雇用契約:正社員
  • 年収  :約320万円
  • 勤務先 :職員数約230人の中規模医院
  • 就業状態:現在も在籍中

私は、臨床検査技師として病院に勤務しています。

臨床検査技師とは医療専門職の一つで、患者さんのあらゆる臓器の状態を検査するのが仕事内容になります。

例えば、尿や血液を自動分析機や用手法で検査したり、生理機能検査・心電図・肺機能・超音波検査などで患者さんの検査を行ったりします。

検査によって得られたデータを、医師など臨床サイドへフィードバックするのが私たちの使命です。

職場の健康診断や人間ドックを受けられている方も多いと思いますが、その時に体の状態を知るための検査を担当しているのが、私たち臨床検査技師です。

患者さんと接する機会は多いですか?

臨床検査技師の仕事は、どちらかというと裏方として診療、治療をサポートしていく役割が中心です。

病院やクリニックによって差があるものの、看護師や薬剤師と比べると、表に出て患者さんと接する機会は少ないと言えるでしょう。

日常的に一緒に仕事をしているのはどんな人たちですか?

基本的には、同職の臨床検査技師たちと一緒に仕事をしています。

病院やクリニックによっては、看護師、薬剤師、医事課などの事務部と一緒にチームとして仕事をする機会も多いですね。

臨床検査技師の年齢層は20代の新卒〜60代までと幅があります。どちらかというと女性の割合が多いです。

私が働いているのは職員数約230人の中規模医院ですが、8名の臨床検査技師が在籍しています。

施設の規模によって働き方は違いますか?

病院やクリニックの規模や必要性に応じて、スタッフ数にはかなりの差があるでしょう。

1人で臨床検査業務をしている所もあれば、60人前後が在籍してそれぞれの部門に専属で業務にあたる所もあります。

臨床検査技師には、ジェネラリストとしての側面が重視される所、スペシャリストとしての側面が重視される面があります。

どのような役割が期待されるかは、所属する施設の特徴にもよります。

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臨床検査技師の働く時間は?ワークライフバランスはどうですか?

臨床検査技師の仕事は、医師などと比べると決して高年収とはいえませんが、ワークライフバランスを重視して働ける魅力的な仕事です。

私が勤務するのは、基本的に日勤帯だけの勤務になります。

朝は8時頃に出勤し、17時半過ぎに退勤しています。

残業や休日出勤について教えてください

残業は、急変した患者さんが出た場合には時々発生しますが、それでも月に2回から3回程度の1時間ほどの残業です。

残業分は30分単位で時間外手当が支給されています。

休日出勤があるのは、日曜・祝日・年末年始などで救急当番医に病院が当たった場合だけですね。

その場合は、休日当番に合わせた勤務シフトを事前に組みますので、割増賃金などはありません。

いわゆるオンコールという「休日呼び出し」は、滅多な事がない限りありません。

ただし、冬場ですと、入院患者さんにインフルエンザの症状が数名出ていて、どうしてもすぐに検査して欲しいなどで連絡が来る事はあります。

その場合も看護師が対応できる検査もありますから、ケースバイケースでの対応をする決まりとなっています。

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臨床検査技師の仕事が楽しい・やりがいがあると感じる瞬間はどんなときですか?

臨床検査技師 仕事 つらい

(臨床検査技師の仕事が楽しい・やりがいがあると感じる瞬間は?)

私が一番臨床検査技師の仕事が楽しい・やりがいがあると感じるのは、少人数の病院で毎日患者さんと接しながら仕事ができるときです。

検査を行う時には、患者さんは悩みや世間話をしてくださることがあります。

そうした何気ない会話と通して、様々な患者さんとのコミュニケーションをとることは、臨床検査技師としてとても大切なことです。

患者さんによっては、医師にはなかなか話しづらい事もあります。

例えば、「実はずいぶん前からこういう症状が時々あるんだけれど、他の病院では何でもない・気にしすぎとか言われた。だけど自分では不安で、ここの先生に相談しても同じなんじゃないかと思って診察で言えなかった」といった悩みを口にされる方もいます。

そういった方の話もしっかり耳にして、外来の看護師に「実はこういう不安を持っていて相談したかったようです」と伝えるのも私たちの仕事です。

検査後の診察でフォローをお願いすることも多くあります。

私は、臨床検査技師は検査がメインの業務ではありますが、それだけでなく、関わった患者さんの心配・悩みなども解決してあげられる橋渡しのような役目も果たしたいと考えています。

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臨床検査技師の「働く職場」は大きく分けてこの5つ

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(臨床検査技師が「働く職場」は大きく分けて5種類あります)

 

↓臨床検査技師が働く職場の選択肢としては、大きく分けて以下の5つが考えられます。

  1. 病院やクリニック
  2. 健診センター
  3. 検査センター
  4. 研究職
  5. その他

このうち、私が働いているのは1.の病院(職員230人ほどの中規模病院)です。

ひとくちに「病院」といっても、その規模によって臨床検査技師の働き方はかなり違うので注意してください。

以下では、私が勤務している病院では

臨床検査技師がどういう仕事をしているのか?について具体的に紹介します。

転職経験者

病院の規模について

病院の規模によって、働いている臨床検査技師の数はかなり違います。

↓例えば、以下のような感じです。

  1. 数十人以上の臨床検査技師を抱える大病院
  2. 数名の臨床検査技師が勤務している病院
  3. 1人の臨床検査技師がすべての検査をやっている病院
  4. そもそも臨床検査技師を配置していない小規模病院

↑このうち、私が働いているのは2.の規模の病院ですね。

なぜこのようにいろんな組織構成があるのかというと、

臨床検査技師には「施設基準」の適用がないからです。

医師・看護師・薬剤師については「最低でも〜人は配置しなさい」という基準が

病院の規模にあわせて決められています(これが施設基準です)

一方で、臨床検査技師には施設基準が適用されません。

病院の判断しだいで「臨床検査技師を配置する・しない」を自由に決めているというわけですね。

ある程度の規模の病院での臨床検査技師の働き方

私が働く職場のように、複数人の臨床検査技師を抱える病院は、

病院内のそれぞれのセクションにちらばって仕事をしています。

↓例えば以下のような感じで、各部門に専属の臨床検査技師がいます。

  • 一般検査
  • 血液・生化学検査
  • 輸血検査
  • 微生物検査
  • 生理機能検査
  • 超音波検査

↑この中で、患者さんと直に接しながら仕事ができるのは、

生理検査、超音波検査部門に配属となった検査技師くらいだと思います。

検体部門の検査技師は、ひたすら検体と向き合い1日を過ごして行きます。

一方で、臨床検査技師の所属数が少人数または1人だけの病院は、

検体検査・生理機能検査・超音波検査などに幅広く関わっていくことになります。

小規模な医院に所属する臨床検査技師は、

毎日何かしらのかたちで患者さんと接しながら働くことになるでしょう。

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検査業務以外にも仕事・役割がある

臨床検査技師の院内での仕事内容は、所属する施設によって違います。

検査業務だけを仕事としている所もありますが、私の職場では、臨床検査技師は院内業務として院内感染対策チーム・褥瘡対策チームにメンバーとして加わっています。

院内感染対策チームでの仕事

院内感染対策チームは、院内での感染症の発生の監視と予防・対策を行なうものです。

毎週、感染症の状況を報告書として作成し、病棟や各所属部門を医師・看護師・薬剤師らと巡回することで、感染対策がきちんとマニュアル通りに実践されているかをチェックしアドバイスします。

院内研修会で講師として様々な話題を提供しています。

褥瘡対策チームでの仕事

褥瘡対策チームは、入院患者さんに床ずれの予防対策を行うチームです。患者の全身状態、栄養状態、検査データなどを共有しています。

寝たきりの入院患者さんには、どうしても床ずれが出来やすいのが実情です。

床ずれができると、それがポケットという潰瘍状の炎症となって現れてしまいます。

これを「褥瘡」と呼ぶのですが、放置すると患部の悪化、感染症の合併など、全身状態低下のリスクが高まります。

褥瘡対策チームでは、褥瘡ができてしまった患者さんを定期的に医師や看護師・薬剤師・管理栄養士らと巡回します。

そのためには、感染症、感染対策、褥瘡についての知識を常に情報収集し吸収しなければなりません。

時間的に余裕がなく大変なこともありますが、それによって院内の感染対策意識、患者さんの褥瘡が軽快して行くのを実感できた時は、おおきなやりがいを感じます。

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臨床検査技師の仕事で「ここがつらい・しんどい」という点を教えてください

私のように、臨床検査業務以外にも院内でのチームにメンバーとして加わっていると、どうしても業務量がアップして行きます。

これを勤務時間内に何とか片付けるためには、効率的な仕事配分を考えながら働く必要があります。

慣れるまでは時間がかかる人もいるかもしれません。

また、業務のレベルアップをするために様々な研修会に参加する必要もあります。研修会が重なったときには、正直きついと感じる時もあります。

研修会に参加するときの賃金の扱いなどはどうなっていますか?

私の勤務先では、すべて勤務時間内に研修会が行われています。おこな悪場所も院内であることがほとんどです。

そのため研修会に参加している時間は通常業務扱いとして賃金が支払われています。

ただし、別の病院では、勤務終了後に研修会を行うこともあるようです。

例えば、勤務時間が17:00までで、研修会が17:30から19:00までといった具合です。

この場合は、研修会への参加は残業扱いになりますので、1時間半分が時間外勤務として割増賃金が出るケースが多いと多います。

また、小規模の医院では外部の研修会に参加する場合もあります。

この場合は有休で自費でという病院もあれば、出張扱いで交通費や研修会参加費を出してくれることもあります。

その代わり、後日研修会報告書や復命書の提出を義務付ける病院の両方があります。

いずれにせよ、このあたりは病院の考え方によると思います。

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臨床検査技師によくある退職理由を教えてください

「よりよい待遇やスキルアップを求めて退職していく人」が最も多いです。

長年一つの施設で勤務していると、経験できる実務範囲の限界に直面することも少なくありません。

職務内容の変化とレベルアップを目指して別の医療機関に転職する人は多いです。

ただし、これは医療専門職の全てに共通していることでもあります。

臨床検査技師としての技術と実務知識を身につければ、働き口に困ることはないと思います。

基本的にはポジティブなかたちで転職を成功させていく人が多い印象があります。

臨床検査技師に向いている人はどんな人だと思いますか?

↓臨床検査技師の仕事は、以下のような人に向いている仕事です。

  • 地道にこつこつと一つの仕事を進めることができる人
  • 常に「なぜ?」という疑問を持ちながら検査データと向き合うことができる人
  • 他の職種と協調性を持って仕事ができる人

そして、「患者さんに少しでも良くなってもらいたい」という気持ちを忘れずに仕事ができる人が、臨床検査技師には向いていると思います。

臨床検査技師の転職活動について教えてください

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(臨床検査技師の転職活動について)

臨床検査技師は、医院などの医療機関に雇用されて働いている人がほとんどです。

臨床検査技師の求人は、病院やクリニックのホームページに掲載されることもありますが、転職サイト経由で応募した方が良い求人に出会えるケースが多いです。

こうした求人に応募する形で、希望する施設へ履歴書や職務経歴書を送付します。

書類選考に通ったら、採用担当者との面接を受けて採用される形になります。医院によっては筆記試験を行うところもあるようです。

面接ではどのようなことを質問されましたか?

↓病院やクリニックの場合は、採用面接では以下のようなことが質問されるケースが多いでしょう。

面接でよくある質問内容

  • 住所・実家・年齢・学歴・職歴の確認など
  • これまでの業務内容の説明(どういう臨床検査の経験があるか、1日何件くらいの検査数だったか・どういう検査機器を使っていたか)
  • 面接先の病院・クリニックでの臨床検査業務の説明(自分の経験と合致しているか)
  • 勤務時間・休日・時間外・当直やオンコールの有無についての説明
  • 臨床検査業務の他に院内業務に関わる可能性についての説明(例えば、院内感染対策、褥瘡対策のチーム・メンバーとしての仕事もあるなど)
  • 今の健康状態について(持病はあるか。業務に支障が出るようなことはないか)
  • 通勤時間
  • 就業にあたって転居が必要な距離の病院やクリニックでは、転居可能かどうか(借り上げ住宅や社宅の制度、住宅手当の制度がある所では、そうした制度の説明があります)

基本的に、自分のこれまでの経験をありのままに話せば良いと思います。採用担当者は面接慣れしていますので、うそをついてもすぐにバレてしまいます。

また、自分の経歴や実力をあまりにも盛ってしまうと、採用後に業務についていけず辛い思いをする可能性もあります。

ミスが許されない仕事なので、身の丈に合った仕事をしながら実力をつけていくのが大切だと思います。

臨床検査技師の採用面接はどんな雰囲気で進むものですか?

面接官の反応ですが、どうしても来て欲しい人の場合や急募の場合は、多少経験のない分野があっても、ゆっくり覚えていけば良いなどの前向きな評価があります。

採用連絡も3日以内にくることがほとんどです。事前に院長の了承をもらっていて、面接の場で採用と言われるケースも多いです。

面接の場に事務長や看護部長、現場の臨床検査技師、場合によっては院長や副院長クラスが面接官として出席している場合、かなり高い可能性で採用が出ると思っていて良いと思います。

面接後は病院内の説明もあることが多いです。

応募後連絡がこない場合は?

求人に応募して、1週間以上も連絡をして来ない病院やクリニックがありますが、採用の意思はないと思って良いと思います。

欲しい人材と思えば、早い段階で連絡をして面接し採用したいと思うのが普通だと思います。

採用に消極的な場合や急募でない場合は、経験のない分野があるとシビアな評価になる施設もあります。

臨床検査技師の資格取得について教えてください

臨床検査技師は、医療専門職という国家資格です。

臨床検査技師の資格を取るためには、臨床検査技師を養成する3年制の専門学校、4年制大学で勉強しなくてはなりません。

その後、臨床検査技師国家試験の受験資格を取り、毎年2月に行われる臨床検査技師国家試験に挑戦します。

臨床検査技師国家試験に合格したら、厚生労働大臣による臨床検査技師免許証を取得することができます。

合格率は7割から8割程度になります。

これから勉強を始める方向けにアドバイスをお願いします

臨床検査技師になるためには、専門学校や大学で3年ないし4年間、講義や実習また病院で数か月間実習もありますので、臨床検査技師になりたいという決心がまず必要です。

テストやレポート提出も多く、勉強が苦にならないことも必要です。

ただ、一度社会人を経験してから入学してくる学生もいます。

私の時も80人くらいのクラスに8人くらい社会人から入学してきた人がいました。

学校見学などで臨床検査技師とはどういう仕事なのか、どういう勉強や学生生活を過ごすのかを自分の眼で見ることを是非お勧めしたいと思います。

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臨床検査技師として働くことを考えている方向けに転職活動の進め方のアドバイスをお願いします

まずは医療専門職専門の転職サイトに登録して、こまめに情報収集してみるのがいいと思います。

転職サイトにあまりにもひんぱんに求人が出ている施設は「何かしら問題がある」と考えたほうが良いですね。

「入職したら面接時に説明にない雑用や事務当直などの業務があった」「職場の同僚に性格的にクセのある臨床検査技師が多い」などは良く耳にする話です。

問題のない施設は、そもそもひんぱんに職員の出入りがありません。そういう優良な施設でもまれに求人が出ることがありますから、タイミングよく応募することが大切です。

エージェントに希望条件を伝えておけば、求人が出た瞬間にアクションをとることができますから、他の人に差をつけられると思います。

臨床検査技師の求人の見分け方についてアドバイスをお願いします

臨床検査技師 仕事 つらい

(臨床検査技師の求人の見分け方のポイント)

臨床検査技師の求人情報の見方にはコツがあります。文章から読み取れることがいろいろあるからです。

いくつか具体的な例を紹介します。

「〇〇検査経験者は優遇」

「〇〇検査経験者は優遇」は、書かれている検査件数が非常に多く即戦力を求めている場合が多いです。

また、学会認定資格取得者(例えば、超音波検査士取得者は優遇)は、求められる検査のレベルが相当高いと思って良いと思います。

こういった求人に応募した場合、採用過程で実技をチェックされるケースもあります。

例えば「臨床検査技師相手に少し超音波検査をしてみてください」などです。

「定時退社の職場です」

臨床検査技師は、実際に働く施設によって残業時間にかなり差があります。

「定時退社の職場です」の記載は、残業が基本的にない、または病院やクリニックの方針で残業をしないというサインになりますね。

「女性が活躍しています」

また、「女性が活躍しています」という記載は、「女性を優先的に採用したい」というサインと考えられます。

「男性が活躍しています」も同様です。こういう施設は男性の従業員を増やしたいのだと思います。

また、給与水準も参考になります。月給20万円未満などの求人では、近隣在住でパートタイム的に働ける臨床検査技師を希望している場合が多いです。

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