
(臨床検査技師の新人によくある悩みとその解決策とは?)
この記事では、新人の臨床検査技師によくある悩み5つと、その対処法を紹介します。
- これから未経験で臨床検査技師に転職することを目指している方
- すでに働き始めている新人技師の方
- 臨床検査技師の仕事そのものはベテランだけど新しい職場に転職した手の方
↑こちらに該当する方には役立つ内容かと思いますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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この記事の目次
新人臨床検査技師の悩み1:先輩技師の教育方法が不安
臨床検査技師として入職し、仕事を始めていくと、最初は必ず教育係の先輩技師がいます。
職場の雰囲気によって先輩の指導方法はいろいろですが、大きく分けて以下の2種類の指導方法があるかと思います。
- マニュアル的な指導方法
- 「先輩の背中を見て覚えろ」式の指導方法
どちらの指導方法も一長一短はありますね。
職場の先輩がどちらのタイプであるかは当然ですがあなたは選べません(実際に働き始めないとわかりません)
重要なことは、あなたの指導にあたる先輩技師がどういうタイプなのか?を知り、それぞれにあった対処法を考えることです。
以下では、それぞれの指導方法別に、新人技師のあなたがとるべき対処法について解説いたします。
①マニュアル的な指導方法の場合の対処法
マニュアル的な指導方法の方がていねいで、新人として最低限の仕事は覚えやすいです。
しかし、その環境に甘えてしまうと、あなた自身の仕事もマニュアル的なレベルにとどまってしまう可能性がありますから注意してください。
基本的な仕事のやり方は業務の中できっちりと教えてもらえますが、逆に言えば業務時間中はマニュアル的なことしか学べないからです。
マニュアル的な指導方法の職場で実力を身につけていくためには、ずばり「先輩との密なコミュニケーション」が必要です。
ちょっとした仕事のコツのような知識については、休み時間の先輩との何気ない会話の中で教えてもらう必要があります。
先輩技師はやはり経験によっていろんな失敗もしてきています。あなたも先輩と同じ失敗をする必要はありません。
マニュアル的な指導方法をとっている職場では、先輩との人間関係がより重要になります。
先輩と一緒にご飯を食べる、ときには飲みに連れて行ってもらう。
そうした場で先輩の知識をこまめに吸収することを心がけてみると良いでしょう。
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②「先輩の背中を見て覚えろ式」指導方法の場合の対処法
「先輩の背中を見て覚えろ式」の職場では、最初のうちは業務もとっつきにくいでしょう。
しかし、現実の臨床検査技師の職場ではこうした指導をされるケースが大半です。
ていねいな指導をしてくれる技師はどちらかというと少数といえますね。
臨床検査技師はどちらかというと職人気質の人が多い仕事ですから、昔気質で癖のあるな技師というパターンが多数なのです。
例えば、「メモなんか取っているからいつまで経っても覚えないんだ。メモを取るな」という指導方法も私は経験しました。
まだ教えてもらっていない業務で失敗したときに叱責されたりすると、あなたも不満に感じることもあるかもしれません。
しかし、こうした職場では「現場でうまく業務を乗り越えるためのコツ」のようなものを習得しやすいというメリットはあります。
良くも悪くも、先輩のやり方をまるごとコピーすることになりますから、実践的な業務テクニックを習得しやすいのです。
こうしたメリットを活かすためにも、基礎知識的なことは可能な限りは業務外で自ら学び、準備しておくことが大切です。
やや極端な言い方をすると、マニュアルに書いてあるレベルのことはわざわざ先輩に教えてもらわずとも、自分で学ぶことも可能だからです。
先輩の実地指導は「講義」と考えて、「予習」をしっかりとやっていくイメージですね。もちろん、業務後には「復習」もしっかりやっておきましょう。
「先輩の背中を見て覚えろ式」の職場では必然的に新人の業務負担は増えますが、最終的に到達できる技量という面で見ると、非常に高いレベルまでいけると思います。
「自分はスパルタ教育を受けているんだ。早く仕事を覚えられる」とポジティブに考えて、主体的に仕事を覚えていくようにしましょう。
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新人臨床検査技師の悩み2:職場の人間関係・派閥対立
これは、大所帯の検査部門によくあるケースです。
表面的には仲が良いように見せかけて陰ではあれこれ言う…いわゆる派閥ができているような職場もあるでしょう。
検査部門に限らず、スタッフが多い部門にはこうした悩みはつきものですね。
ときには本来の検査業務以上にストレスになってしまうものですが、少なくとも新人のうちは可能な限り関わらないようにしましょう。
先輩は自分のグループに新人であるあなたを取り込もうとしてくるでしょう。しかし、新人の段階で特定の人間関係グループにべったりになることはかなり危険です。
悪くすると組織の中で居場所がなくなってしまう可能性があります。
うわさ話への具体的な対処法
特定の人を攻撃するようなウワサ話に巻き込まれそうになったら、適当にあいづちを打っておく程度にとどめておきましょう。
具体的な対処方法としては、「あの人って〜だよね」と話をふられたようなときに、「へえ、そうなんですか」と疑問形で会話を返すと、肯定も否定もしていない立場をとることができます。
ポイントは、こういう場ではとにかく自分の意見を表明しないことです。
新人のタイミングでどこかのグループにとりこまれるよりも、「どっちつかずの状態」をキープできる方が安全です。
派閥を作っている人たちも、新人を戦力としては期待していませんから、あなたをしつこく自グループにとりこもうとはしないはずです。
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新人臨床検査技師の悩み3:仕事内容が自分の思っていたものとぜんぜん違った
これはぜひとも入職以前の応募の段階で把握しておくべきことです。
まず、皆さん自身が、臨床検査技師としてどのような立場で関わって行きたいのかを明確にしておきましょう。
↓具体的には、この2つのどちらの臨床検査技師を目指すのか?を明確にしておくことが大切です。
- 1つの検査分野のスペシャリストとして活躍して行きたいのか
- 幅広い検査業務に対応できるジェネラリストとして活躍した行きたいのか
スペシャリストを育てたいのか、マルチに活躍できるようになって欲しいのかは、職場によってそれぞれの方針があります。
職場側がどういう人材育成を考えているのかを事前に確認しておかないと、入職してから大変苦労する結果になります。
例えば、自分はスペシャリストになりたいのに、さまざまな検査部門をたらいまわしにされるのでなかなか深い知識が身につけられない…と言うことがおきます。
入職後に「こんな業務内容だとは思ってなかった…」となるのを避けるには?
これを回避するには、入職前にその病院での仕事内容について綿密にリサーチしておくことが必要です。
病院見学に出かけ、現場の生の声を聞きましょう。もしそのような機会がなければ、面接の場で直接質問してみるといいですね。
ただ、こうしたかたちで転職活動に時間をかけるのが苦手な方もいらっしゃるでしょう。
すでに在職中の方はなかなか転職活動のためだけに時間がとれない…という人もいるかもしれません。
そうした場合には、転職サイトに登録することで利用できる転職エージェントから情報を得るようにしてください。
転職エージェントは、実際にその職場の採用担当者と話をして「こういう人材が欲しい」という情報を得ています。
転職サイト経由で求人に応募すれば、エージェントからあなたに直接連絡がきます。
その段階で「こういう仕事ができる職場を探している」ということを具体的に伝えましょう。
エージェントは入職後のミスマッチが生じないようにするために、あなたにあった求人を絞り込んでくれます。
この作業は自力でやろうとするとかなり大変ですから、エージェントの力を借りましょう。
転職エージェントは転職活動のプロですから、プロの立場から求人を見分けてくれます。
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新人臨床検査技師の悩み4:自分自身のスキルが追いつかない
新人臨床検査技師の中には、入職前に身につけていた知識が実務ではまったく通用せず、大きなストレスや自信喪失を感じている方もいらっしゃるでしょう。
↓一般に、以下のような施設では臨床検査技師に求められる業務レベルも高いと理解してください。
- 急性期病院
- 人間ドック施設
- 先進医療を導入している施設
こうした施設では、勉強会や研修会にも熱心です。
技師会で司会を買って出たり、勉強会を主催したりもしていますね。
また、休日の勉強会や研修会への参加が上司命令であったり、学会の認定技師取得が必須で勤務評定の対象となっていたりするケースもあります。
自分自身が、臨床検査技師としてプライベートも削るのもいとわないのか、休日はしっかりプライベートも充実させて余裕のある仕事をしていきたいのか、常に意識していて欲しい点になります。
新人臨床検査技師の悩み5:院長との相性
「院長との相性」は、クリニックで働く臨床検査技師にもっともありがちな悩みです。
つまり、院長の医療方針に共感できるのか、人間的にも尊敬できるのかという問題ですね。
クリニックで働く場合、院長との相性が合わないと仕事が成り立ちません。院長に性格を変えてもらうわけにはいきませんから、これも入職時点での見極めが重要になります。
面接の場では積極的に院長の考え方を探るようにしましょう。
緊張する面接の場で院長とあれこれ話せる気がしない…という方は、この点についても転職エージェントを使って情報を集めるのがおすすめです。
naka→
「どうしても今の職場が合わない…」と感じている新人臨床検査技師のための対処法
こんな悩みを抱えていませんか?
- 同僚や先輩のぐちばかり言っている職場の先輩がどうしても無理。
- 一緒に働く人たちとの性格的な相性が悪すぎる…。
- 給料が低い割に残業が多く、ブラックな職場であることに気づいた。
- 先輩技師が仕事を教えてくれないのに叱責ばかりしてくる。ストレスでもう限界…。
↑新人臨床検査技師の中には、こうした悩みを抱えている方も少なくないでしょう。
簡単な仕事や、すべてが自分の思い通りになる職場なんてものはありませんから、多少のことは歯をくいしばってがんばらざるを得ません。
ある程度は時間と経験が解決してくれることもあるでしょう。
しかし、「先輩や院長と人格的に合わない…」とか、「職場の人間関係が最悪で、ストレスで気が狂いそうになる」とかいった状況は、時間が解決してくれる可能性は極めて低いです。
こうした状況で無理をしてしまうと、心身に影響が出て来ます。
「新人のうちの苦労は買ってでもすべきだ…」と自分を追い詰めてしまい、うつ状態になってしまう新人を私もたくさんみてきました。
こうなってからではあなたのキャリアそのものに傷がついてしまいます。
- 悩みを上司や事務長、院長に相談できる環境か
- 上司や事務長、院長が問題改善に取り組んでくれる環境か
- 自分自身のスキルに自信を持ち続けられるか
- プライドを持って働けるだけの年収を得られているか
- 自分の考えにフィットする検査業務が経験できる環境か
- 毎日仕事が楽しいと実感できるか
↑これらが実感できない、または、相談や改善してくれない環境であれば、別の職場への転職も選択肢として加えるべきだと思います。
臨床検査技師の資格があれば、転職は決して難しくはありません。
私自身、転職によって前の職場と仕事内容は変わらないのに、年収が100万円単位でアップするということも経験しています。
新人のうちは「自分が悪いんだ」と追い詰めてしまいがちですが、環境を変えてみることが解決につながることもありますよ。
sita↓