
(臨床検査技師の男女比率は?)
臨床検査技師の男女比率は、「男性3に対して女性7」が相場です。
どこで働くにしても、女性の割合が多い職場となることは間違い無いでしょう。
なぜ臨床検査技師に男性は少ないのかというと、いくつか理由があります。
第一には、臨床検査技師の重要な仕事の一つである「生理機能検査」で女性の患者さんの身体に触れることが挙げられます。
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生理機能検査が男性臨床検査技師にはネックになる
臨床検査技師の仕事は、大きく分けて検体検査と生理機能検査に別れます。
このうち、生理機能検査とは、心電図、肺機能、無散瞳眼底、サーモグラフィー、睡眠時無呼吸、超音波などの検査のことをいいます。
これらの検査に共通しているのは、「直接患者さんと接して行う検査」という点です。
特に、心電図や超音波検査では、患者さんの身体に直接触れる検査があります。
例えば、心電図であれば、患者さんの胸部に電極を装着します。
その際に電極の装着位置を確認するために胸部の肋骨の位置を触り確認しなくてはなりません。
超音波検査であれば、プローブを当てて検査をしますが、その際に患者さんの心臓や腹部にプローブを持った手を固定しなければなりません。
女性の患者さんに衣服を脱いでいただく必要があることも
当然、検査の際には衣服を脱いで頂く必要も場合によってはあります。
患者さんは、肌を多少なりとも露出することになります。
私たち臨床検査技師は最大限の配慮をしています。
バスタオルを検査中はかけて行うなど、患者さんのいわゆる羞恥心を少しでも軽減してもらう努力です。
ただ、女性の患者さんの中には、「どうしても男性の臨床検査技師の前では…」という方もいらっしゃる訳です。
こうしたことから、女性の臨床検査技師を優先的にスタッフとして採用している医療機関も少なからずあります。
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臨床検査技師は「長く安定して働ける仕事」→女性応募者が多い
次に、臨床検査技師という仕事が「長く安定して仕事が続けられる職業」である事が挙げられます。
女性の社会進出は目覚ましいものがありますが、臨床検査技師は日勤帯だけの職場も多いです。
時間外の発生もない職場も多く、そうした環境では、家庭との両立が可能になります。
皆さんの近くのクリニックで働くスタッフをイメージしてみてください。
ほぼ女性のみのスタッフというクリニックが多いのではないでしょうか。
クリニックの経営者も、男性が入職してくるという想定をしていない事があります。
(男性でも働きやすい職場の探し方については後でくわしく解説します)
そのため、男性用の更衣スペースや男性市スタッフ用のトイレなどが未整備な所が非常に多いです。
そうしたクリニックに男性が入職しても、恐らく浮いた存在となってしまうでしょう。
全てのクリニックがそうではないのですが、一般的な傾向として、こうした面があることも事実です。
男性の臨床検査技師が働きやすい職場を見つけるには?
もちろん、男性の臨床検査技師の働き口がまったくないなんてことはありません。
基本的に安定的な需要がある仕事ですから、男性女性問わず採用している医療機関はたくさんあります。
ただし、表向きの求人条件では「男女関係なし」となっていたとしても、本音としては「女性を採用したい」と考えているところはあるので注意してください。
こうしたところに男性が応募しても時間のむだになりますので、できれば応募前にこうした求人は候補からはずしておきたいところです。
エージェントから職場の「生の情報」を事前にもらっておく
こういう求人をあらかじめ候補から外しておくためには、転職エージェントから具体的な情報をもらうのがいいです。
転職サイトに無料登録すると、転職活動をサポートしてくれるエージェントがつきますので、その人に「この求人は男性でも関係なく採用してくれますか?」と質問してみてください。
エージェントは表向きの情報だけでなく、裏の情報もいろいろと教えてくれます。
エージェントは実際に求人を出している医療機関に出向いて採用担当者からいろいろ情報を得ているからです。
例えば、「採用そのものは男女関係なくても、実際の職場はほとんど女性で、男性用の更衣室すらない…」というような職場の情報も事前に教えてもらえます。
男性が応募しても無駄な求人に間違えて応募してしまわないようにするためにも、エージェントの活用は必須と言えます。
転職サイトでいろいろ検索して求人を見慣れておく
転職サイトは無料で使えますので、いろいろ検索してみていろんな求人情報を見ておくのも転職活動を成功させるコツです。
たくさんの求人を日常的に見るようにしていると、なんとなく求人の傾向というか「こういう医院ではこういう条件で求人を出していることが多い」というような基準がわかるようになってきます。
そうなると「この求人は平均と比べて年収が高い」「スタッフ数は少ないけれど福利厚生がしっかりしている職場」というように、自分でも求人のしぼり込みができるようになっていきます。
気になった求人は情報としてストックしておいて、候補先をたくさん手元に持った状態で転職活動を進めていくのが短期間で採用につなげるコツです。
候補先がたくさんあれば「ここがダメでも別のところにチャレンジすればいい」という気持ちで面接にもいけますから、堂々とした態度でのぞめます。
多少は強気ぐらいの気持ちでいく方が、信頼感のある人物と評価してもらえますよ。
naka→
臨床検査技師の職場結婚は多い?
臨床検査技師同士での結婚は少ないです。
どちらかというと、臨床検査技師と他の職種職員での職場恋愛・結婚の方がよくある話ですね。
医療事務のスタッフと結婚、看護師と結婚といったようなケースは多いです。
臨床検査技師どうしとなると仕事内容が近すぎますが、他の職種なら同じ医療スタッフというしばりでは同類なので、ちょうど良い距離感になるのかもしれません。
ただ、職場内での恋愛は、公私の区別をしっかりつけておかないとめんどうなことになります。
思わぬ横やりなどが入るケースもありますので、注意して欲しいところですね。
男性臨床検査技師は就職で有利?不利?
病院・クリニックの経営者、検査部門の方針によって異なるので一概には言えないところがあります。
女性患者への配慮を過剰なほど意識する施設では、男性は不採用になる可能性が高いです。
しかし、男性の超音波検査士で経験豊富な技師は、病院・クリニックともに需要があります。
また、精神科病院では、患者の性質上、男手は必要なことが多く、臨床検査業務以外での需要あることから、重宝される施設もあります。
いくら求人を出し続けていても一向に応募がない施設も往々にしてありますが、そうした施設では男女不問なケースが多いです。
ただ、そうした施設は何かしら問題がある事が多く、入職して何かと苦労する場合が多いです。
臨床検査技師は「男性だから職場で得をする・損をする」ということはある?
「男性だから得をする」ということは基本的にあまりありませんね。
しかし、経験豊富な臨床検査技師には男性が多い印象です。
女性は寿退職していく人が一定割合いますから、ベテランになると男性の方が多くなるのかもしれません。
一方、「男性だから損すること」についてですが、これは主に人間関係の部分ですね。
女性優位な職業ですので、よく女性の職場にありがちなドロドロとした人間関係に巻き込まれるリスクは往々にしてあります。
また、何かと自己主張が女性技師は強いです。
検査部門のトップの指導方針が、こうした職場環境に影響していると思います。
naka→
男性の臨床検査技師の働く場所(就職先)の選択肢は?
臨床検査技師として働くなら、以下のような職場が主な候補先になるかと思います。
- 治験コーディネーターCRC・治験モニターCRA
- 医療機器メーカーのサービス
- 病院・クリニック
- 研究職(食品メーカーや研究機関・大学研究室など)
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治験コーディネーターCRC・治験モニターCRA
まず、治験コーディネーターCRCや治験モニターCRAがあります。
バックに製薬メーカーが付いていることもあってか、ともに給与水準が高い会社は月収30万超、年収400万から500万に達する所もあります。
エリア内(エリア単位での仕事)では、直行直帰・出張もありますし、医療機関のスタッフとのコミュニケーション能力が必須です。
また、日頃から専門知識・カルテ用語の理解・社内の認定試験などが課されます。土日休みの会社は多いですが、平日の勤務内容はハードです。
医療機器メーカーのサービス
次に、医療機器メーカーのサービスです。
月収は、平均で25万前後、年収にすれば400万前後でしょうか。
こちらも、エリア内(エリア単位での仕事)では直行直帰・出張もありますし、医療機関のスタッフとのコミュニケーション能力が必須です。
また、自社で扱う医療機器の専門知識・技術は当然熟知しなければならず、そうした点でのプレッシャーはあります。
病院・クリニック
病院・クリニックは、収入に幅があります。月収15万から40万程度とかなり幅があり、高い施設は年収500万近くに届きますが、低い施設は300万をようやく超えるかというレベルです。
一般に首都圏・都市部の病院・クリニックは高く地方に行くほど給与水準は低い傾向があります。
儲けのある施設(検査に力を入れているような所)は、地方であっても高いです。
業務内容は施設によって異なりますし、業務シフトがローテーション制か、様々な院内業務に加わる必要性があるかによってもハードさが変わります。
人間ドック専門の施設は、検査知識・技術の他に、接遇能力が必須で、お客様というサービス業の側面が強いです。
研究職(食品メーカーや研究機関・大学研究室など)
研究職の選択肢もあります。食品メーカーや研究機関・大学の研究室などがその例です。
ひたむきに地味な作業を継続出来るかが要になって来ます。
月収はポストによって異なります。
主任研究員レベルとテクニシャンレベルでは大きな違いです。
sita↓