
(設計事務所から転職するときの選択肢は?31歳男性の体験談)
現在、設計事務所に勤めている方の中には、
「設計事務所から転職する場合の、転職先の選択肢にはどんなところがあるのだろう?」
という疑問をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
この記事では、実際に設計事務所から転職した経験をお持ちの30代男性に転職体験談をお聞きしました。
武藤さんは、31歳の時に12年間働いた建築設計事務所から住宅会社(従業員100名の中規模工務店)に転職された男性です。
- 設計事務所から転職する場合の選択肢として、具体的にどういう転職先を検討した?
- 転職後の年収は?前よりアップできた?
- 設計事務所から転職して後悔している?
などなど、気になる情報をお話しいただくことができましたので、ぜひ参考にしてみてください。
この記事の目次
設計事務所から転職する場合の選択肢は?私の体験談
体験談をお聞きした方のデータ
- お名前 :武藤茂春
- 年齢 :現在36歳(31歳の時に現職に転職してから5年間在職中)
- 雇用契約:正社員
- 年収 :転職前330万円→転職後460万円
- 会社規模:従業員100名の中規模工務店
私は、従業員2名〜4名程度の建築設計事務所で12年間働いた後、31歳の時に住宅会社に転職しました。
転職時には、設計事務所で設計を行った用途(私の場合は主に住宅)に近い会社を転職先として選択肢に入れていましたね。
無料で相談に乗ってくれる転職エージェントにも相談して、一般には非公開の求人も出してもらいました。
↓実際に候補としてしぼりこんだのは以下のようなところです。
- ハウスメーカー
- 住宅会社
- 工務店の設計部
結果的にはもっとも条件が良かった住宅会社を選択肢、現在に至ります。
幸いにも失業期間を作ることなく転職でき、すでに5年間勤務しています。
設計事務所で働いていたときよりも年収は100万円ほどアップでき、ワークライフバランスも良くなりました。
設計事務所で働く人の多くが「修行・見習い」という感じで仕事をされていると思いますが、
設計事務所で身につけた能力を高く評価してくれる企業はたくさんあります。
ぜひ視野を少しだけ広げて転職先を検討していただきたいと思います。
転職前に過去に勤務していた設計事務所について
私が現在の仕事に転職する前に勤めていた設計事務所は、従業員は多い時で4人、少ない時は2人の小規模な事務所です。
年齢は幅広くて20代〜60代の方がいました。
年収は約330万円です。事務所内で働く新入社員の多くは新卒で入って数年経てば独立若しくは転職をしていました。
労働条件は今から考えるとかなり過酷と言えますが、「雇用条件に納得がいかないなら転職か独立」というのが暗黙の了解でした。
設計事務所時代の対象建築は?
対象建築としては、住宅、工場、倉庫、店舗、集合住宅、老人保健施設、保育園等の設計を行いました。
人数が少なかったので、一人で設計をして積算をして現場監理をしていました。
場合によっては営業や工事管理まで行う事もありました。
このように小さな会社は、一つの物件についてほぼ全ての業務を行えると言う事が、経験値を積めるという意味でメリットがあります。
大きな会社ほど業務が分業化されており、お客様の顔や他業務の様子が見えにくくなります。
転職前と転職後の年収について
私の所属していた設計事務所は年収330万円程でした。
一般的には決して高い年収ではないと思いますが、個人運営の設計事務所としては比較的良い方だったと思います。
個人経営の設計事務所は年収はかなり低いです。
その理由として昔ながらの「修行」という感覚が雇う側にも勤める側にも残っていることがあります。
また、仕事のやり方は生産性が低く、労働時間も長い傾向があります。
転職直前は30代に入ったこともあり、給与にはかなり強い不満を持っていました。
そこで、転職サイト経由で転職エージェントに相談し、条件にあう求人だけを候補としてピックアップしてもらいました。
自分で求人を探していたら決して見つからなかったであろう高待遇の求人についても候補として出してもらえました。
転職後は100万程上り、労働時間も少なくなり家族との時間を確保できるようになりました。
設計事務所から転職前と転職後の労働環境の違いついて
労働環境については、やはり設計事務所(転職前)と中堅の住宅会社(転職後)では差があります。
転職しただけで年収が100万円上がったので、非常にびっくりした記憶がありますね。
設計事務所時代は、朝9時に出社し夜の退社時間は夜21時頃でした。
遅い時は終電と時もありましたし、お客様のプレゼン前の最終段階では徹夜して準備する事もありました。
電車通勤だったので交通費の支給はありましたが、残業代の支給はありませんでした。
休日出勤や割増賃金について
休日出勤もありました。お客様との打合せがあったり、期限までに時間が無い案件がある場合です。
法人のお客様の場合、打合せは平日が多いですが、個人のお客様は土日が休みの場合が多いので、休日出勤は致し方ないと思います。
割増の賃金はありませんでした。基本は代休を取るようにという指示でした。
設計事務所は良くも悪くもルールがゆるかった
ただし、設計事務所は良くも悪くも雇用ルールが「ゆるい」です。
例えば、代休や有給を取る時にいちいち書類を出さなくてもよかったです。
そのあたりの、よく言えばおおらかな所が設計事務所にはあると思います。
子供が生まれた時は、所長の指示で何日か休まさせて頂いた時もありました。
設計事務所から転職した住宅会社の勤務条件は?
設計事務所から転職した現職の住宅会社では、朝8時半に出社して夜19時頃退社します。
社内規則で21時には必ず退社しなくてはいけません。
ただし、残業代の支給はありません。休日出勤はむしろ設計事務所よりも多いです。
なぜなら住宅をメインとしているので、個人のお客様との打合せがどうしても多くなります。恐らく9割の打合せは土日となっているでしょう。
休日出勤の割増賃金はありません。
住宅会社の方も基本は代休取得を促します。
設計事務所時代より「書類仕事」が増えた
設計事務所と違う所は、仕事を進めるにあたって、なにかとたくさん書類を提出しなければならない所です。
大規模な組織なので、誰がどういう動きをしているのかを書類やデータで把握しようとするのはやむを得ないところかもしれません。
後日の証拠にもなりますから、従業員を無用のトラブルから守る意味もあるのでしょう。
私の場合、新卒で設計事務所に入り、基本は口頭でコミュニケーションを取りながら仕事をしてきました。
当時も議事録は作りましたし、図面は住宅会社の5倍以上は描いていました。
ですが、問題が起こった時の会社への報告書、部署間の連絡や講習会のレポート等は必要なかったです。
何をやるにしても書類を提出しなければならない体制には、慣れるのに苦労しました。
設計事務所から転職した住宅会社の楽しい事、辛い事
設計事務所は生産性度外視の図面作成をしています。
それが労働時間の増加に繋がり、年収の増加を阻んでいます。
設計に妥協はせず、スピード感よりも設計の質を求められます。
一方、住宅会社は、住宅を作ることをビジネスとして捉えており、お客様の意向を組む事を設計事務所より重視しています。
なので、会社とお客様とが協力して家を作り上げる感覚です。
そして会社内でもたくさんの人が関わります。
もちろん、自分の思い通りにならない時が多々あります。
「こうすればもっとよくなるのになぁ」と思ったりします。
けれど、引渡し時にお客様に感謝の言葉を頂くと、それまでの苦労も忘れ、感激もひとしおです。
転職先の会社は、引渡し後にアンケートをお客様に記入していのですが、そこに感謝の言葉が書いてあると、涙が出るほど嬉しくなりました。
設計事務所から転職する前にやっておくべき事
一級建築士の取得はできればしておきたいところです。
この業界は、一級建築士の資格があるかないかで、転職する会社の選択肢がかなり違います。
あとは長期優良住宅について学んでおく事も大切です。
現状、設計事務所では長期優良住宅についてはそれほど考慮されないと思います。
私も設計事務所から転職する前はほとんど知りませんでしたが、住宅業界では長期優良住宅はもはや「当たり前の知識」になっています。
基準をよく学び、取得実績があると転職に有利だと思いますよ。
特に、省エネについては重宝されると思いますね。
外皮計算や一次エネルギー計算はできるようにしておくと良いでしょう。
設計事務所を辞めても本当に大丈夫?
慣れ親しんだ設計事務所から転職することに、不安を覚える方も多いでしょう。
私ももちろんそうでした。同じ事務所で12年間もお世話になっていましたから、所長とは親族のような関係性です。
しかし、30代を超えて「12年も1つの企業に勤め続けて年収300万円代…」というのはさすがにきびしいものがあります。
大手企業に勤めている人なら、30代で年収1000万円を稼ぐ人もたくさんいるのが世の中です。
所長もそうしたことは理解しているようでしたから、私が退職を切り出した時にも気持ちよく送り出してくれました。
個人経営の設計事務所で終身雇用はあり得ない
また、個人経営の設計事務所というのは経営が1代限りなので、どのみち終身雇用はありえません。
自分の身を守るためには、転職または独立が必然です。
転職活動を始めることには勇気が入りますが、あなたがいま、将来に不安を感じる設計事務所に勤めているのなら、早めに行動をした方が良いでしょう。
転職を選択するのであれば年齢は若ければ若いほど有利なのはどの業界も同じです。
仕事つまらない・給料安い…。今の職場でこれ以上働き続けたくない人へ

(あわない仕事・人間関係のストレスでつらい働き方をしている人へ)
- 給料がぜんぜん上がらない…。もう2年以上働いてるのに。
- 人間関係のストレスが限界。上司も先輩も大嫌いな人ばかり…。
- 1ミリも興味ない仕事だけど、生活のためにしかたなく働いている…。
↑こんな感じで働いている人ってきっと多いのではないでしょうか。
仕事って人生のほとんどの時間を使ってやっていくことですから、
ストレスの多い環境だとほんと地獄ですよね。
ほとんどの人にとって今の仕事がベストの選択肢じゃないのが普通です。
学生時代になんとなく就活やって、
なんとなく安定してそうな会社に入って、
なんとなく年齢を重ねていく人がほとんどなんですよね。
ただ、こんな感じで30代後半になってくると、状況はもっと悪くなります。
「35歳転職限界説」とかいいますが、
転職って年齢が高くなるほど実務経験を求められるようになりますから、
難易度がどんどん高くなってしまうんですね。
そうしているうちに家族ができ、家を買うために住宅ローンを組んで…。
で、どんどん身動きが取れなくなっていくのが現実です。
少しでも年齢が若いうちに転職活動を始めるのが有利

(営業から経理、総務からマーケティングなど「職種を変える転職」は年齢制限があります)
今いる環境にどうしても限界を感じているなら、
少しでも年齢が若いうちに転職活動を始めましょう。
特に、職種を変えるキャリアチェンジ転職の場合は年齢をかさねるほど不利になります。
(営業から経理、総務からマーケティングなど)
今の仕事とまったく違う職種に行きたいなら、
どんなに遅くとも20代後半、できれば20代前半までに転職しておく必要があります。
業種業界にもよりますが、ここを逃すと未経験職種での採用は非常に難しくなるのが一般的ですね。
- 今の仕事はぜんぜん好きになれない…
- この業界でずっと働きたくない…
↑と感じている人は、
早めにアクションを起こす必要があります。

まずは「自分にはどんな選択肢があるのか?」のリサーチから始めよう

(まずは「自分の学歴・職歴でどのぐらいの求人を狙えるのか?」のリサーチから始めましょう)
とはいえ、いきなり転職活動なんてハードルが高く感じてしまいますよね。
生活費を稼がないといけないから、今すぐ転職は難しい…。
↑という人もきっと多いはずです。
転職って重要な決断になりますので慎重になるのは当然ですよね。
いきなり転職活動なんて無理…と感じる方は、
まずは「世の中にどんな仕事があるのか?」
「自分の学歴・職歴だとどんな仕事に転職できる可能性があるのか?」
のリサーチから始めてみるのがおすすめです。
具体的には、無料で使える転職サイトでいろんな求人情報を見てみましょう。
転職サイトは今すぐ転職する気がない人も気軽に使うことができますよ。
マイナビエージェント
高年収な優良求人が絶対見つかる!(無料転職サイト)
マイナビエージェントは個人的に最もおすすめな転職サイトです。
未経験から高年収を目指せる求人から、
実務経験者限定のクローズド求人まで、
好条件なホワイト求人をたくさん見つけることができますよ。
無料で使える鉄板の大手転職サイトなので、転職活動が初めてな人も安心です。
転職サイトで無料アカウントを作っておくと、
あなたにマッチする求人が出てくるたびにメール自動通知してもらうえます。
気になった求人をブックマークしておくだけでも、
いざとなったら転職もあるという選択肢を持つことができるんですね。
今の職場で限界が来たときに、
転職という対抗策を打つことが可能になります。
いい意味での「逃げ道」を確保しておくことが大切です。

転職サイトは完全無料で使うことができます。
いつでも利用をやめられますし、
変な連絡が来ることもないのでリスクはゼロです。
今すぐは転職できない人も、転職サイトを活用して情報収集から始めましょう。
転職成功するのに「特別優秀」である必要はない

(ごく普通の人でも転職で成功することは可能です)
- 特別優秀なひとにぎりの人だけが高年収になれる。
- コミュ力が高くてルックスも良く人脈もないと人生負け組。
- 一流大学を出てないと出世なんてできない…。
↑こんなふうに考えている人って多いと思いますが、実はこれまったくの誤解です。
私は転職支援の仕事をしてるので、
年収700万円〜1000万円の人たちとたくさん会いますが、
彼らは特別優秀な人ばかりではありません。
もちろん、中には弁護士や会計士みたいに
特別優秀な人もいますけどね。
でも、営業マンや経理マンなど
ごく普通の仕事でも高年収の人たちもたくさんいます。

問題は「ごくフツーの人が、なぜ理想的な働き方ができるようになったのか?」ですが、
これは日頃から自分がどういう環境で働ける可能性があるのか?
の情報リサーチをしっかりやっているからなんです。
情報リサーチといえば新聞をまずイメージしますよね。
ですが、ニュースにくわしくなって年収上がった人を私は見たことがないです。
お金と時間を消費して新聞を読むぐらいなら、
転職サイトを見るようにした方がよっぽど年収アップにつながりますよ。
実際、年収高い人って今すぐ転職する予定はなくても
転職サイトに登録だけはしています。

転職サイトで希望条件を入力しておくと、マッチする求人が自動的に情報として入ってくるので情報感度が高くなるんですよね。
最新の求人情報につねにアンテナを貼っておいて、
チャンスがめぐってきたらすぐに行動を起こせるようにしておくのが大切です。
転職サイトを使った情報リサーチのやり方
\ 高年収な求人多数あり!/
転職サイトに無料登録すると、
↓こんな感じで最新の求人情報にいつでもアクセスできるようになります。

↑実際の求人情報を見てみるとわかりますが、
年収の高い仕事であっても、
特別な能力って求められていないことに気づくと思います。
サラリーマンの年収って、所属先の会社がもうかっているかどうか?でほぼ決まるからです。
逆にいうと、所属先の会社がもうかっていないと、
あなたがどんなに優秀な人であっても大したお給料を稼ぐことはできません。
これは優秀な人ほど見逃しがちな重要ポイントですね。
もうかっている会社は転職サイトに好条件で求人をバンバン出しています。
こういう情報を常日頃からリサーチしておくことがとても大切ですよ。