今回は、貿易事務の実務経験がある女性に仕事内容や転職の体験談をお聞きしました。
加藤さんは、輸出フォワーダーの仕事を7年間されていた方です。
- 年収はどのぐらい?
- 残業はある?
- 仕事が辛いと感じる瞬間は?
- よくある退職理由は?
などなど、実体験者でないと語れない内容をお聞きすることができましたので、ぜひ参考にしてみてください。
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この記事の目次
貿易事務の仕事は辛い?私が体験した仕事内容
体験談をお聞きした方のデータ
- お名前 :加藤仁美
- 在職年齢:28歳〜35歳(7年間)
- 雇用契約:正社員
- 年収 :350万円
- 勤務先 :従業員450名、会社のグループ全体では47万人で業界では大手です
- 退職理由:夫の転勤に伴い、働けなくなったため退職しました
私は、物流業界でお客さんの輸出入をお手伝いするフォワーダーという仕事をしていました。
トラック会社や航空会社、船会社とやりとりをして、貨物を海外に輸出入する企業に所属する貿易事務の仕事です。
フォワーダーというのは簡単にいうと何をどうする仕事ですか?
例えば、お客さんが「日本からイギリスに荷物を送りたい」と考えたとします。
↓大きな荷物を送るときには、以下のようにいろいろな問題が生じます。
- イギリスの受取人が荷物を受け取ってくれるか
- 荷物の配送料をちゃんと払ってくれるか
- 荷物が壊れずにちゃんと手元に届くか
- 日本から海外に送る行政の手続きがスムーズにいくか
こういうときに、関係者の間に入り、確実安全かつスケジュール通りに貨物を運ぶように手配するのがフォワーダーの仕事です。
日常的にやりとりをするお客さんは、荷送人と荷受人、あと貨物を海外に運ぶ航空会社や海運会社です。
貿易事務はどういうふうに社会の役に立つ仕事ですか?
今の企業にとって、海外との貿易は欠かせないものとなっています。
例えば、車のパーツを海外で生産する、イタリアで今流行の服を買い付けて日本で販売するなどは貿易なしには成り立ちません。
貿易とは、ごく簡単にいえば国をまたいで商品や資材がいったりすることです。これにはとてもややこしい手続きがつきものです。
手続きに手間取ると、お客さんの生産ラインが止まったりしてとても大きな損害が生じてしまいます。
例えば、海外から来るはずの材料が届かないと商品を作りたくても作れないという状況が発生するでしょう。
こうしたことが起きないよう、貿易のプロフェッショナルであるフォワーダーが通関手続きやスケジュールの管理をします。
従業員何人ぐらいの職場でしたか?
私の職場は従業員20人ほどの職場でした。
年齢構成は20代〜40代ぐらいの比較的若い人が中心の職場でしたね。
従業員は日本全体で450人の会社ですが、海外の支店やグループ会社を合わせると47万人ほどになります。業界では大手に属する企業と言えると思います。
日常的にやりとりをするお客さんはどんな人たちですか?
お客さんは商社やメーカーが多いです。
ただし、貿易をする企業であればどこでもかかわる可能性がありますね。
私はフォワーダーの中でも「航空部輸出課」という部門にいました。
簡単にいえば、お客さんの貨物を飛行機で輸出するのをお手伝いするのが私の仕事です。
一緒に仕事をする人たちは、飛行機が好きだったり、留学を何度か経験した英語好き・海外好きな人が多かったですね。
貿易事務として実際に働いていた時間や残業・休日出勤の有無について教えて下さい
朝は9時に出社していましたが、退社は19時〜20時ごろです。
この業界は時差のある海外とのやりとりが必須ですから、残業が多いのが実態です。
毎日2〜3時間、月に40〜50時間は残業が発生していました。
ただし、残業代は働いた時間分ちゃんと支給されていましたので、それほど不満はなかったです。
休日出勤はほとんどありません。ただ、どうしてもお客さんが休日に貨物を出荷したくて急ぎの場合は出勤することもあります。
大体は事前に把握出来るので先に手配したりして休日出勤を回避していました。
もちろん、ごくまれにある休日出勤の際は、割増の賃金が支払われていました。
貿易事務の仕事が楽しい、やりがいがあると感じる瞬間はどんなときですか?
私たちの仕事は、「指定した日に安全に貨物を届けること」です。大きな案件が出たときに、チームでこれを予定通りに達成できたときにはやはりやりがいを感じます。
セールスの仕事ではないので、どちらかというと職人的な気質を持っている人が多いですね。
私は航空部門にいたので、緊急の貨物を扱うことが多かったです。
航空便は船の便よりも早く荷物が着く一方で値段も高いので、当然ながら時間にシビアな仕事が求められます。
具体的にはどんなできごとがありましたか?
ある時お客さんが、このパーツを○日までにドイツに運ばないと、ドイツの生産ラインが止まってしまうと連絡がありました。
早速緊急貨物であることを、ドイツの現地の同僚と確認しすぐにトラック会社に話をしてチャーターのトラックを空けてもらい、お客さんのところに集荷に行きました。
フライトは翌日の朝の便が最速でした。
そこで、航空会社に電話をして飛行機の貨物スペースを確保してもらい、ドイツの同僚が現地の通関を手配してもらい、なんとか指定日に間に合いました。
こういうときには本当にやりがいを感じます。
フォワーダーは飛行機、船、トラックなど貨物を運ぶのに必要な「乗り物」は持っていません。
だからこそ普段から航空会社、船会社、トラック会社との連携が鍵となってきます。
そんな中で航空会社、トラック会社とみんなで成し遂げたというところにも達成感があると思います。
貿易事務の仕事で「ここがつらい・しんどい」という点を教えてください
この仕事でつらかったのは、やはり残業が多いことです。
私の会社はヨーロッパの外資系だったので、ヨーロッパへの輸出が多く、時差の関係で日本の夕方ごろにヨーロッパの同僚からメールがきます。
航空便は緊急貨物が多いので、同僚からの返信や指示はその日のうちに対処しなければならないことも多々あります。
またお客さんの企業側からも、製造が終わる夕方ごろに集荷してその日の夜の飛行機に乗せなければいけないというような貨物もありました。
このような事情から、夜遅くまで仕事をすることもあります。
その日の仕事は可能な限りその日のうちに完了して、毎日スッキリと1日を終えるのがストレスをため込まないコツです。
モヤモヤする事案にはとりあえずの答えを出して業務を終わったり、お客さんから貨物が間に合ってありがとうという言葉をもらったことを思い出したりするようにして乗り切っていました。
貿易事務の仕事でよくある退職理由を教えてください
辞めていく人は、やはり残業が多くてやめていく人が多いです。
逆に、仕事に全力投球したい人は長く勤めている人が多いですね。それぐらいやりがいのある仕事です。
あとは会社の立地が不便であることを苦にする人も意外に多いです。
貿易事務を扱う会社は、航空会社や船会社のある場所、つまり空港や港にオフィスがあることが多いのです。
空港や港は、都市部からは離れていることが多いし、その分通勤も負担となってきます。
私自身は夫の転勤のため転勤先に支店がなく、やむなく辞めることとなりました。
貿易仕事に向いている人は、どんな人だと思いますか?
この仕事に向いている人は、責任感の強くて細部まで気を使える人だと思います。
お客さんから預かっている貨物は、とても重要で緊急性の高い貨物です。
お客さんのニーズを的確に把握して、航空会社やトラック会社などの手配を細部にわたってミスのないように交渉、根回しを進めて置くことがとても重要です。
貿易事務の仕事は一種の専門職といえます。
1つの職場で実務が一通りできるようになり、ビジネスレベルの英語ができる人なら働き口に困ることはまずないと思いますね。
私の同僚にも退職していく人がいましたが、その後もフォワーダーとして貿易事務の仕事を続けたり、商社やメーカーに転職してキャリアを積んでいったりする人が多かったです。
新卒で大手商社やメーカーに採用されるのは大変ですが、貿易事務で実務経験を積んだ後に中途採用で転職していくのであれば十分に可能性があると思いますよ。
貿易事務の仕事への転職活動はどのように行いましたか?
私はカナダに留学した経験がありましたので、英語を使う仕事を探していました。
転職サイトで職務経歴書を入力したところ、貿易関係の求人が得意なエージェントさんに貿易事務の仕事を紹介していただくことができました。
転職エージェントさんには、それぞれ得意分野があるので「こういう仕事がしてみたいんです」ということを明確に伝えたほうが良いです。
面接は英語でしたが、普通の生活でコミュニケーションができる人であればそれほど高度なレベルが求められるわけでもないと思います。
面接の内容的には自分の経歴や志望動機、採用後にどんなことをやってみたいかが聞かれました。
【損失がでかすぎ】向いてない仕事で人生を浪費するな
- この仕事、自分には向いてないと感じる…。
- やりがいをまったく感じない。毎日何も楽しくない。
- 職場の人たちがぜんぜん好きになれない…。
↑こんなふうにモヤモヤしながら働いている方、
きっと多いのではないでしょうか。
そんな方にぜひ知っておいていただきたいことがあります。
それは「自分に合ってない仕事や職場で、人生の貴重な時間を浪費するのは、本当にもったいない」ということです。
20代で年齢的にうちはまだいいかもしれません。
何ごとも経験だから…。
でがまんできる人もいるでしょう。
でも、これがこの先30年以上ずっと続く…と考えた場合どうでしょうか。
例えば、いま25歳の人なら定年が65歳として、
あと40年(…!)は仕事人生は続きます。
つまり、仕事って人生のほとんどの時間をかけてやっていくものなんですよね。
どうせならやりがいを感じられる仕事の方がいいと思います。
自分に向いていない仕事で、
毎日苦痛を感じながら生きていくなんて、
いったいなんのために生まれてきたんだ…。
って感じても不思議はありません。
(むしろ自然な感情でしょう)
ですが、残念ながらほとんどの人が
「みんながまんしてるんだから…」
で自分も我慢してしまうのが現実です。
どんな仕事でも「向いてる/向いてない」が絶対にある
これはすべての種類の仕事についていえることですが、
仕事って向いてる/向いてないが絶対にあります。
例えば営業マンの仕事。
ものすごくまじめに頑張ってるけど、
なぜか成果が出ない人っているんですね。
その一方で、毎日テキトーに仕事してても、
キャラや見た目の良さでポンポン成果を出してしまう人っています。
事務職でもこれは共通です。
毎日、一生懸命やってるのになぜか職場で嫌われたり、
足を引っ張られたりする人がいる一方で、
どんなにミスをしてもなぜか許されちゃうみたいな人っていますよね。
私も新卒入社した会社で営業配属だったのですが、
ダメダメでした。
本当に嫌で嫌でしょうがなくて、
毎日やめたい…と感じながら働いてましたね。
↑当然ながらこんな働き方で成果なんて出ません。
私がモタモタしているうちに、
楽しみながら仕事をしていた
同期たちにはどんどん差をつけられました。
同期入社の連中はどんどん成果を出し、
役職付きになって昇給していくのに、
自分だけずっとヒラ社員の安月給…。
まわりからも「あいつは仕事ができない」と見下され、
自分でもそんな自分がどんどん嫌いになっていく…。
↑これめっちゃつらいです。
その後どうしても耐えられなくなって
事務系の仕事に転職をしたのですが、
こちらは自分に合っていたのか、
割とすぐに成果を出すことができました。
営業マン時代は完全に「無能」あつかいされていた自分が信じられないぐらい、
すんなりと仕事内容を覚えられたんですね。
仕事には「向き不向き」があるのを痛感した瞬間でした。
仕事がちゃんとできると、職場内での人間関係もスムーズになります。
一緒に働く人たちも「あいつは役に立つ」と認めてくれますから、
仲間として受け入れてもらえるんですね。
「向いてない仕事でがんばる」のは損失が大きすぎる
「好きこそものの上手なれ」ってことわざがありますが、
仕事に関してはこれほんと真理だと思います。
本当はもっと力を発揮できる仕事があるのに、
たまたま自分に合わない仕事を選んでしまったばっかりに、
苦しい思いをして働いている…。
↑こういう損してる人が多すぎます。
仕事なんて実際に現場に出てみるまでは
向いてる/向いてないなんてわからないので、しかたないんですけどね。
逆に言えば、いまうまくいっていない人にも必ず
「これならやれる」って思える仕事はあります。
ただし、まったく未経験の仕事に転職するのって、
年齢が高くなるほど難しくなるのにも注意です。
今の仕事が合ってないと感じている人は、少しでも早く対策をとりましょう。
自分に向いてる仕事を見つける方法(ハロワは使うな)
どうすれば自分に合った仕事を見つけられるのか?ですが、
まずは情報収集から始めましょう。
- いま現在、世の中にはどんな仕事があるのか?
- 自分の性格で向いている仕事ってどういうものなのか?
- どういう仕事をしている人が給料高いのか?
- どういう業種にニーズが集まっているのか?
- どういう業界が今後も伸びていくのか?
↑こういったことについての現状把握から始めることがたいせつです。
なお、求人はハロワとかでも一応は探すことができますが、
正直ブラック求人が多いので避けた方が良いですね。
ハロワって政府が「本当に本当に仕事がなくてどうしようもない状態の失業者」向けに提供しているサービスです。
はっきりいって生活保護と同じレベルの最低限のサービスなので、
最後の手段ぐらいに考えておきましょう。
普通に高校や大学出てて、
普通にネット使える環境の人は転職サイトを使いましょう。
転職サイトは無料サイトなので、お金がかかることはありません。
自分の年齢・職歴に合った転職サイトを使うのが重要(じゃないと門前払いを食らう)
転職サイトを使う場合には、1つだけ注意点があります。
それは、自分の年齢や職歴に合った転職サイトを使うことです。
転職サイトっていろんな種類があって、
↓こんな感じでそれぞれ利用者層が違うんですね。
- 30代〜40代のベテラン向け求人をメインであつかう転職サイト
- 20代若手向けの求人だけをあつかう転職サイト
- 金融業界の求人だけを専門であつかう転職サイト
- 経理職の求人だけを専門であつかう転職サイト
- 薬剤師や看護師など特定の資格を持つ人向けの転職サイト
例えば、20代若手の人が30代〜40代のベテラン向けの転職サイトとか使っても、
まず応募できる求人なんて出てこないです。
自分に合っていない転職サービスで仕事を探してしまうと、
マッチする求人件数0件…みたいな状態になってしまうので注意してください。
(いわゆる「門前払い」です。これってまじで絶望的な気分になります)
\ 未経験OK!20代向け求人多数あり/
↑無料アカウント登録で求人検索機能を使えます。
(年収や残業時間などのくわしい情報を指定して検索できます)
転職支援サービスは、
自分の状況に合ったところを使う。
(20代は20代向け、未経験者は未経験むけのところ)
↑これは転職活動のコツというか鉄則です。
ネット使い慣れている人でも、
意外に見落としがちなポイントなので注意してください。
自分にマッチする求人は「探す場所」さえまちがえなければ、
誰でもちゃんと見つけることができますよ。
無料アカウントを作っておくと、
自分にマッチする求人が出た時に最速で通知してもらえたり、
「こんな職種もありかも?」的な情報メールが定期的に受け取れます。
自分ではまず思いつかないような
意外な仕事の選択肢を知れたりしますよ。
未経験の職種に挑戦する場合、
はば広い選択肢の中から仕事を選ぶのが大切ですからね。
世の中で不況で「若い人は仕事なんてどこにもない…」とかとんでもないウソです
日本の若年失業率はたったの3.7%です(世界平均は13.6%)
仕事は探す場所さえまちがえなければ山ほどあるんです。
あと、学生時代の就活ってある程度は選択肢がしぼられてましたよね。
(ある程度の大手企業に行こうと思ったら営業マンしかない…など)
でも、いったん社会人になった後の転職活動って、
選択肢がものすごく多いんです。
人事やマーケティングといった人気職種も、
未経験OKの求人がたくさんありますし、
最初から「将来の幹部候補」などのかたちで募集されている求人も多いですよ。
いざというときの選択肢を確保しておくのが重要
転職支援サイトで無料アカウントを作ったら、
自分の年齢や職歴・希望年収などを入力しておきましょう。
条件にマッチする求人を定期的にメールで配信してもらうことができます。
自力で探していたらまず気づけなかった選択肢にも気づけますよ。
↑日常的に送られてくる求人メールをチェックしておいて、
気になったものを情報としてストックしておくのがコツです。
これやっておくと、
「今の仕事がどうしても辛くなったら転職もある」
という選択肢を持てるのが大きいです。
疲労とストレスで倒れる前に転職という対策を打てます。
転職サイトは誰でも無料で使うことができます。
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