- 大学職員は将来性がある仕事?
- スキルが身につかずキャリアの墓場になるって本当?
- 少子化でオワコンって本当?
大学職員というと「安定していて給料も高いノーリスクの仕事」
というイメージをお持ちの方も多いかもしれません。
その一方で「特殊な業界なので、この業界でずっと働いてもスキルが身につかない」
というネガティブなイメージがもたれることもあるようです。
少子化による学生数減少で、
大学職員は今後は厳しくなるはず…
と予想している人もいますね。
この記事では、現役の大学職員としてこの業界の将来性について解説します。
良い面・悪い面の両方を赤裸々に書いていきますので、
大学職員への転職を検討している方は参考にしてみてください。
この記事を書いた人
新卒で電気メーカー就職→国立大学職員に転職(教務課で3年)
その後、私立大に転職し経理・研究支援・補助金業務を担当。転職時には国立大2校と私大1校で内定。大学職員の転職方法を解説します。
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この記事の目次
大学職員は将来性のある仕事?
大学職員は将来性のある仕事と言えるでしょうか?
ここでは逆から考えてみましょう。
つまり「大学職員はオワコンで将来性がない」と言われる場合、
それはどういう根拠で言われるのか?です。
この「大学職員オワコン説」の根拠に対して反論できるのであれば、
「大学職員の将来は安泰」と一応は言えると思います。
大学職員=オワコン説の根拠としては、
↓以下のようなものが言われることが多いです。
順番に見ていきましょう。
(オワコン説の根拠1)大学職員はスキルが身につかない
大学職員は「スキルが身につかない職業」といわれることがあります。
確かに、大学職員はある程度の事務処理能力があれば、特定のスキルがなくとも働いていくことは可能です。
ただ、個人的には「大学職員=スキルが身につかないダメな職業」とは思いません。
なぜなら、大学職員としてキャリアを積み上げたいと考える人にとっては、大学職員に必要なスキルがあれば十分だからです。
基本的なパソコン操作と最低限のコミュニケーション能力は求められますが、それ以外のスキルがなくとも日々の大半の業務をこなすことは可能です。
私の周りでも、並外れたスキルを持つような人はいませんでした。
また、多くの大学では事務職員に対し、事務担当者研修や他大学・他機関への出向等の機会を設けています。
特に他大学や他機関への出向等の経験は、人事評価をする上でポイントになるとよく耳にします。
これは、異なる環境で経験を積むことにより視野が広がり、出向後により活躍できる人材に育つと考えられているからです。
特定のスキルを身につけるのもよいですが、設けられている研修等の機会を生かすこともキャリアアップの近道になります。
このような機会を生かすことで、管理職等の役職を目指すなど、大学職員として実績を積み上げていくことは十分に可能だと考えます。
大学職員として長く活躍したい人にとっては、特定のスキルが習得しにくいことはネックとはならないでしょう。
(オワコン説の根拠2)少子化が進み大学職員も今後はリストラがある
大学職員はよく「安定した職業」と耳にすることがあると思います。
この理由にあるのが、国立大学職員は「みなし公務員」と呼ばれる、国家公務員と同様の雇用形態にあることです。
国家公務員は法律で身分が保障されており、元々は国家公務員であった国立大学では、法人化された現在もその名残が残っています。
私の周りでも、「仕事ができない」などの理由によりリストラになった人は見たことがありません。
また、ベテラン職員も多く、定年後も再雇用職員として働き続ける人も珍しくありません。
よっぽど勤務姿勢が悪かったり、問題行動を起こすような場合は別ですが、基本的にはリストラされる心配をする必要はないと考えます。
(オワコン説の根拠3)大学職員は意外に激務でワークライフバランスが悪い
結論から言うと、大学職員はワークライフバランスが良い職業だと思います。
土日休みですし、福利厚生が充実していますね。
私の職場では、自分の趣味の時間や家族と過ごす時間を確保できている大学職員がほとんどです。
大学職員といえど、年度末や年度明けの繁忙期には連日数時間の残業が続くこともあります。
ただ、残業代として割増賃金がきちんと支給されます。
(残業した分だけ給料手取りは増えます)
私の周りでも、申請した残業代が支給されないといった例は聞いたことがないですね。
サービス残業が常態化しているブラック企業と比較すると心身を消耗するリスクは少ないです。
あと、福利厚生の面でも大学職員は恵まれているほうだと思います。
最近では女性が出産をした後に職場に復帰する環境の見直しが進んできた印象がありますね。
私の職場では、産休はもちろん育休も取得できます。
復職後も時短勤務を活用すれば保育園の送り迎えに間に合うよう調整している人がたくさんいますよ。
男性で育休を取得している人も珍しくはありません。
大学職員は仕事も家庭も両立したい人にはおすすめできる、ワークライフバランスの良い職業です。
「大学職員の求人がなかなか見つからない…」という人へ
大学職員の求人ってなかなか見つけにくいですよね。
もちろん、「とりあえず大学職員になれるならどこでもいいや…」みたいな感じで探すならたくさん見つかるとは思うんですが、
こういう探し方で見つかるのって、
たいていはブラック環境な大学職員の求人だったりします。
大学職員とひとくちにいっても、
実際に働く環境はさまざまなので注意してください。
大学職員といってもすべてがホワイトではありません。
同じ「大学職員」でも、
↓こんな感じで二極化しているのが2024年現在の実情ですね。
- ブラックな大学で働く大学職員たち
安い給料で新人研修もなくいきなり現場に放り込まれ、恥をかきながら仕事を覚えさせられ、やる気のない学生相手に誰からも感謝されず、しんどい働き方をしている人たち。 - ホワイトな大学で働く大学職員たち
最初から平均より高い給料で、しっかりとした新人教育を受けることができ、職場の仲間と協力しながらやりがいを持って働ける環境。
残業も少ないのでワークライフバランスを実現できている人たち。
↑同じ大学職員なのに、
なぜこういう差がついてしまうのか?ですが、理由は簡単です。
毎年入学者が殺到するような人気大学と、
学生にぜんぜん人気のない定員割れの過疎大学…では、
大学職員として働く環境がまったく違うからです。
大学は、学生さんたちが納めてくれる学費によって成り立っている組織です。
大学職員の給料もそこから出ています。
なので、学生に人気がなくて学費をちゃんと集められていない大学では、
経営は苦しくなり、大学職員の給料も安くなってしまうのです。
しかも、こういう不人気大学では、
人件費を少しでも安くするために、
最低限のスタッフ数しか雇用しない傾向があります。
結果的に、職員は限界ギリギリの状況で現場をまわすことになり、
土日出勤やサービス残業の横行する、
激務ブラックな雇用環境になりがちなんですね。
「偏差値高い大学 = ホワイト職場」ではない(2023年の学生数ランキング参照)
注意していただきたいのは、
必ずしも「偏差値の高い大学=大学職員にとってホワイトな雇用環境」ではないことです。
高偏差値大学の職員になれた!
…と思って実際に職場に入ってみたら、
地獄のような職場環境で体調を崩し、
退職を余儀なくされた…。
なんてことは珍しくないので、注意して下さい。
例えば、2023年の学生数ランキング(私立大学)がこちらなんですが、
↓学生数で1位は日本大学です。
↑早稲田(2位)や立命館(3位)、慶應(6位)など、
偏差値トップクラスの私大もランキングに入っていますが、
4位に近畿大学、5位に明治大学、7位に東洋大学…と、
偏差値的にはあまり有名でないところも、
学生数ではランキング入りしている「人気大学」だったりするんですね。
先にもお伝えしたように、
大学職員の給料は学生さんの納める学費から出ています。
少しでも良い環境の大学で働きたいなら、
学費をしっかり集められている人気大学で働くことが必須になります。
大学職員として「自分の職場を選ぶ」という視点で見る場合、
見るべきなのはその大学の偏差値ではなく、
学生をたくさん集められている人気大学かどうか?であることを知っておいてください。
学校法人は「大学運営だけ」で利益を出しているわけではない
また、あまり名前の通っていない大学であっても、
ホワイトな大学職員として働けるケースもあります。
大学経営そのものがうまくいっているケースがあるからです。
大学というのは「学校法人」という組織が運営しているんですが、
学校法人は大学運営だけで利益を出しているわけではありません。
なかには大学付属の保育園〜高校の一環運営などで、
しっかりと利益を出しているところもあったりするんです。
大学を「自分が働く職場」として考える場合、
見るべきなのは有名大学かどうか?ではなく、
きちんと利益を出していて、
職員の給料や雇用環境の良い大学か?
であることに注意しましょう。
私も「とりあえず大学職員になれるならどこでも…」で転職活動し、地獄に落ちました
- 大学職員になれるならどこでもいい。
- 最初はお給料が安くても、年功序列で給料アップしていくはず。
- なので、大学職員の求人を見つけたら、とりあえずかたっぱしから応募する!…
↑これ、実は私がやってしまったミスなんですが、
「大学職員ってホワイトらしいので、
とりあえず採用してもらえるならどこの大学でもいいや…」
みたいな感じで、テキトーに転職活動していました。
(大学のサイトの採用ページを毎日チェックして、
かたっぱしから応募していました)
今から考えたらアホだったなあ…という感じなんですが、
結果的にブラックな大学職員求人に応募してしまい、
最悪な労働環境に入ってしまったことがあります。
結局、その後に別の大学に転職したんですが、
今から思うと、ブラック大学で働いていた期間って本当に人生で無駄な時間でした…。
これから転職活動を始める人は、
どういう大学職員の求人を狙って応募するか?
には絶対にこだわってしぼりこんだ方が良いです。
ブラックな大学にまちがえて応募してしまうと、
貴重な人生の時間をドブに捨てることになります。
ホワイトな大学職員になりたいなら、
しっかりとホワイト大学の求人を狙って応募することが大切になります。
ここだけはきちんとやっておかないと、
あとでものすごく後悔することになるのでくれぐれも注意してください。
せっかく大学職員に転職するなら、
ワークライフバランスが良いホワイト環境で働きましょう。
お給料も高い方が良いに決まってますからね。
「大学職員の求人に特化した転職サイト」で求人を探すのがコツ
年収高めで、しかも働きやすいホワイト職場で働きたい人は、
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転職サイトってものすごくたくさん種類がありますが、
それぞれ得意分野が違うので注意しておきましょう。
実際に求人リサーチしてみました。
この記事を書いている現在ですが、
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>>大学職員の実際の求人を見てみる
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結果がかなり変わってくるので、くれぐれも注意して下さい。
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↓利用者の口コミ評判についてはこちらを参考にしてください。
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あと、普段からいろんな選択肢を見ておくと、
今の環境がどうしてもしんどくなったら転職もあると気づけるのも重要ですね。
いい意味での「逃げ道」を余裕のあるうちに確保しておくのが大事ですよ。
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特に未経験で転職する人は要注意です。
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私も経験ありますが、まじで寿命がちぢまりますからね…。
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