- 大学職員から大学職員への転職を成功させるには?
- 中途採用で実務経験はどう評価される?
- 私立大と国立大で働き方はどう違う?
大学職員として働いている人の中には、
今いる大学から別の大学への転職を検討している方もおられるかと思います。
この記事では、地方の私立大から国立大に転職した体験談を書きます。
ぜひ参考にしてみて下さい。
この記事を書いた人
新卒で地方の私立大就職(教務課・総務4年)→国立大に転職。
15大学を受けるも全滅でしたが、自己PRを見直したところ3大学から内定を得ました。大学職員の転職活動のコツを解説します。
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私が私立大学職員から国立大学職員に転職した理由
私が私大職員から国立大職員に転職した理由は、
ひとことでいうと年収やワークライフバランスに不満があったからです。
大学職員は安定と言われることが多いですが、
地方私立大学は苦しい経営状況のところが少なくないのです。
経営が苦しいと最低限の大学職員しか雇わないので、激務になります。
私が働いていた私立大学も、
残業が多いにも関わらず正しくつけないよう指示が出たり、
休日出勤の振替を取ることも許されなかったりと苦しい状況でした。
入職してから毎年ボーナスが下がり続けており、
年収はほとんど上がらず、精神的にきついかったですね。
私はこの状況を打開するため、
私立大学から国立大学への転職という選択をしました。
転職活動は2年かけてやることになりましたが、
給料やワークライフバランスは大幅に改善できたので良かったと思っています。
18歳人口の減少=大学の収入源(経営が苦しくなるところも)
日本の18歳人口は大幅に減少しています。
- 1992年:205万人
- 2040年:101万人
これは大学への応募者が減少することを意味します。
大学は学生さんが納める授業料で運営されていますから、
学生数が少なくなれば経営が苦しくなります。
特にこの減少の煽りを受けるのは、田舎の小規模な私立大学からです。
私立大学と国立大学の仕事内容の比較
前職の私立大学は、学生数3000人・従業員数300人の片田舎にあるこじんまりとした大学でした。
スポーツに力を入れているため、
誰もが1度は名前を耳にしたことがある大学です。
当時は総務と教務の業務を兼務していました(これがかなりの激務できつかった)
教務では入学式・卒業式・オリエンテーションや学籍管理を主な業務です。
現職の国立大学は、学生数10,000人超・従業員数4000人の知名度の高い総合大学です。
関東の中でも田舎にあり、のどかで広い校舎が魅力です。
ここでは、引き続き教務の業務を行なっていますが、
教務業務だけに集中できるので落ち着いた環境で働けています。
私立大学職員と国立大学職員の働き方比較
私は私立大学と国立大学の両方を経験しています。
以下ではそれぞれの職場の年収や働き方を比較してみます。
1. 年収の比較
↓まず、私立大での年収は以下のように推移していきました。
- 1年目:338万
- 2年目:340万
- 3年目:343万
- 4年目:348万
↓その後、国立大学に転職して年収はこうなりました。
- 1年目:480万(1年目のため夏のボーナスは半額)
国立大学は1年目で年収が約150万円上がりました。
1年目ということで夏のボーナスが半額なので、
2年目はもう少し稼げそうな感じです。
私立大学職員時代は、正直言って満足いく年収ではありませんでした。
もちろん、私立大でも早稲田や慶応などの有名大学なら学生数がものすごく多いですから、
職員数も多く年収も安定していると思いますよ。
しかし、地方の応募者数の少ない私大ではかなりきびしいのが現実です。
2. ワークライフバランスの比較
私大職員と国立大職員でワークライフバランスがどのように違うかも比較してみてみます。
↓私大職員の場合
- 残業
月80時間ですが残業代は10時間ほどしかつかず - 休日
土曜授業日には休日出勤があり、振替は取れません - 福利厚生
私立大学共済は手厚い - 育休等
男性の取得者は皆無で、理解のある環境ではなかったです
↓国立大職員の場合
- 残業
多い月でも40時間ほど。残業代は分単位でつきます - 休日
試験等もあり休日出勤もありますが、振替は取得できる - 福利厚生
文科省共済のため手厚い - 育休等
男性も少しずつ取得しており、自身も検討中
3. キャリアパス(出世コース)の比較
職員のキャリアパス(どのように出世していくか?)についても比較してみます。
↓私大職員の場合
- 評価制度
あり(ただし給与への反映がない) - 昇進のルール
目安の年度はあるが、上層部に気に入られるかどうかでほぼ決まる - 管理職への試験
なし
↓国立大職員の場合
- 評価制度
あり(給与への反映が規程に明確に記載) - 昇進のルール
目安の年度あり。ほとんど平等に昇進する - 管理職への試験
あり
国大ではキャリアパスがしっかりと規程に記されているため、安心して業務に従事できています。
自分がどのようなキャリアを描けるかが見えることが、一番の安心になりますよね。
もちろん、私立大でも雇用環境が良いところはあると思います。
私立大事務職員への転職を目指す人は、
学生に人気で経営の安定している大学を選ぶと良いかもしれませんね。
「大学職員の求人がなかなか見つからない…」という人へ
大学職員の求人ってなかなか見つけにくいですよね。
もちろん、「とりあえず大学職員になれるならどこでもいいや…」みたいな感じで探すならたくさん見つかるとは思うんですが、
こういう探し方で見つかるのって、
たいていはブラック環境な大学職員の求人だったりします。
大学職員とひとくちにいっても、
実際に働く環境はさまざまなので注意してください。
大学職員といってもすべてがホワイトではありません。
同じ「大学職員」でも、
↓こんな感じで二極化しているのが2024年現在の実情ですね。
- ブラックな大学で働く大学職員たち
安い給料で新人研修もなくいきなり現場に放り込まれ、恥をかきながら仕事を覚えさせられ、やる気のない学生相手に誰からも感謝されず、しんどい働き方をしている人たち。 - ホワイトな大学で働く大学職員たち
最初から平均より高い給料で、しっかりとした新人教育を受けることができ、職場の仲間と協力しながらやりがいを持って働ける環境。
残業も少ないのでワークライフバランスを実現できている人たち。
↑同じ大学職員なのに、
なぜこういう差がついてしまうのか?ですが、理由は簡単です。
毎年入学者が殺到するような人気大学と、
学生にぜんぜん人気のない定員割れの過疎大学…では、
大学職員として働く環境がまったく違うからです。
大学は、学生さんたちが納めてくれる学費によって成り立っている組織です。
大学職員の給料もそこから出ています。
なので、学生に人気がなくて学費をちゃんと集められていない大学では、
経営は苦しくなり、大学職員の給料も安くなってしまうのです。
しかも、こういう不人気大学では、
人件費を少しでも安くするために、
最低限のスタッフ数しか雇用しない傾向があります。
結果的に、職員は限界ギリギリの状況で現場をまわすことになり、
土日出勤やサービス残業の横行する、
激務ブラックな雇用環境になりがちなんですね。
「偏差値高い大学 = ホワイト職場」ではない(2023年の学生数ランキング参照)
注意していただきたいのは、
必ずしも「偏差値の高い大学=大学職員にとってホワイトな雇用環境」ではないことです。
高偏差値大学の職員になれた!
…と思って実際に職場に入ってみたら、
地獄のような職場環境で体調を崩し、
退職を余儀なくされた…。
なんてことは珍しくないので、注意して下さい。
例えば、2023年の学生数ランキング(私立大学)がこちらなんですが、
↓学生数で1位は日本大学です。
↑早稲田(2位)や立命館(3位)、慶應(6位)など、
偏差値トップクラスの私大もランキングに入っていますが、
4位に近畿大学、5位に明治大学、7位に東洋大学…と、
偏差値的にはあまり有名でないところも、
学生数ではランキング入りしている「人気大学」だったりするんですね。
先にもお伝えしたように、
大学職員の給料は学生さんの納める学費から出ています。
少しでも良い環境の大学で働きたいなら、
学費をしっかり集められている人気大学で働くことが必須になります。
大学職員として「自分の職場を選ぶ」という視点で見る場合、
見るべきなのはその大学の偏差値ではなく、
学生をたくさん集められている人気大学かどうか?であることを知っておいてください。
学校法人は「大学運営だけ」で利益を出しているわけではない
また、あまり名前の通っていない大学であっても、
ホワイトな大学職員として働けるケースもあります。
大学経営そのものがうまくいっているケースがあるからです。
大学というのは「学校法人」という組織が運営しているんですが、
学校法人は大学運営だけで利益を出しているわけではありません。
なかには大学付属の保育園〜高校の一環運営などで、
しっかりと利益を出しているところもあったりするんです。
大学を「自分が働く職場」として考える場合、
見るべきなのは有名大学かどうか?ではなく、
きちんと利益を出していて、
職員の給料や雇用環境の良い大学か?
であることに注意しましょう。
私も「とりあえず大学職員になれるならどこでも…」で転職活動し、地獄に落ちました
- 大学職員になれるならどこでもいい。
- 最初はお給料が安くても、年功序列で給料アップしていくはず。
- なので、大学職員の求人を見つけたら、とりあえずかたっぱしから応募する!…
↑これ、実は私がやってしまったミスなんですが、
「大学職員ってホワイトらしいので、
とりあえず採用してもらえるならどこの大学でもいいや…」
みたいな感じで、テキトーに転職活動していました。
(大学のサイトの採用ページを毎日チェックして、
かたっぱしから応募していました)
今から考えたらアホだったなあ…という感じなんですが、
結果的にブラックな大学職員求人に応募してしまい、
最悪な労働環境に入ってしまったことがあります。
結局、その後に別の大学に転職したんですが、
今から思うと、ブラック大学で働いていた期間って本当に人生で無駄な時間でした…。
これから転職活動を始める人は、
どういう大学職員の求人を狙って応募するか?
には絶対にこだわってしぼりこんだ方が良いです。
ブラックな大学にまちがえて応募してしまうと、
貴重な人生の時間をドブに捨てることになります。
ホワイトな大学職員になりたいなら、
しっかりとホワイト大学の求人を狙って応募することが大切になります。
ここだけはきちんとやっておかないと、
あとでものすごく後悔することになるのでくれぐれも注意してください。
せっかく大学職員に転職するなら、
ワークライフバランスが良いホワイト環境で働きましょう。
お給料も高い方が良いに決まってますからね。
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私も経験ありますが、まじで寿命がちぢまりますからね…。
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