
(理学療法士にとって急性期病院で働く魅力は?)
- 理学療法士が急性期病院で働く魅力ってなに?
- 回復期や維持期よりも仕事は忙しい?
この記事を書いた人
- 理学療法士4年目(20代後半女性)
- 糖尿病療養指導士
- 557床の病床数をもつ急性期病院に勤務
- リハスタッフは50名ほど在籍
- 脳血管、呼吸器、運動器、心大血管、廃用症候群で施設基準Ⅰを算定
- がん患者リハビリテーション、ADL維持向上等体制も行う施設
この記事の目次
急性期病院で働く理学療法士の仕事内容(回復期や維持期との違い)

(急性期病院勤務の魅力は?)
急性期病院は、何らかの病気を発症してすぐの患者様と関わる場所です。
病気の原因が定かでなく、患者様の状態が日々変化する場所でもあります。
その中で、早期からリハが開始され、
病態や全身状態を把握し、リスク管理の元、理学療法を実施します。
患者様が日々回復する姿を近くで見られるのも急性期の魅力ではないでしょうか。
急性期の理学療法士の役割
急性期の理学療法士の役割は、ずばり早期離床です。
ただ早期から離床を進めれば良いという訳ではなく、
患者様の病態を理解してバイタルや全身状態を評価しながら安全に離床を進める必要があります。
また急性期では、病床回転率を上げる必要があります。
そのため、予後を予測して自宅退院が可能か、
それとも回復期でさらに改善する見込みがあるのか、
など判断するのも急性期で働く理学療法士の役割です。
回復期や維持期との違い
回復期や維持期と違う点は、担当する疾患が多岐に渡るところです。
回復期は、脳血管疾患や整形外科術後などの運動器疾患が多く、
維持期は、廃用症候群や誤嚥性肺炎などの疾患が多いのが特徴です。
急性期病院は、様々な病気を発症してすぐの患者様が入院する場所なので、
周術期から緩和期まで幅広く経験でき、あらゆる場面でやりがいを感じられるでしょう。
急性期は忙しいって本当?
急性期病院で働く理学療法士の仕事は忙しいです。
時期によって多少異なりますが、1日に10〜15人の患者様を担当します。
患者様の状況次第で、1日に3単位✕2回実施する場合もあります。
入職当初は職場の環境に圧倒されますが、
日々のスケジュールを上手く組んで動けば慣れてきますよ。
1日があっという間です!
急性期病院での仕事の魅力(メリット)

(理学療法士が急性期病院で働くメリット)
1. 得意分野を見つけ、専門性を高められる
急性期病院は、個々が得意な分野を見つけ、その道のスペシャリストになれるでしょう。
その理由は、幅広い病気を経験できるので、自分の得意分野が見つかりやすいからです。
また、医師や看護師、管理栄養士などの多職種と連携するチーム医療では、理学療法士としての専門性を発揮する力が求められるからです。
認定理学療法士の資格を取るスタッフも多くいます。
急性期病院の中には、臨床研究や学会発表している職場もあるので、上手く時間を活用して勉強に励んで下さいね。
2. 転職に有利
急性期病院で勤務した経験は、転職する際に有利になるでしょう。
なぜなら、急性期病院は、回復期や維持期では見られない様々な病気を経験するからです。
また、急性期病院の魅力とも言える、徹底したリスク管理は、回復期や維持期などの職場でも活かされますよ。
急性期病院での仕事の魅力(デメリット)

(理学療法士が急性期病院で働くデメリット)
1. 急性期病院の求人は少ない
急性期病院の求人数は、理学療法士全体の募集に比べて少ないです。
なぜなら、急性期病院に勤務する理学療法士や作業療法士の数自体が少なく、長く務めるスタッフも多いからです。
急性期病院が求人募集するのは、欠員が出た時なので、施設あたりの募集人数が少なくなります。
また、急性期病院は新卒に人気が高い職場でもあるので、より倍率が高まります。
2. 訪問リハやクリニックに比べて給料が低い
訪問リハやクリニックに比べて、
急性期病院で働く理学療法士の給料は、低いのが現状です。
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正社員の場合、訪問リハやクリニックは月給25〜30万円前後ですが、
急性期病院では月給20〜25万円前後の募集が多く見られます。
↓ただし、やや給料が高めに設定されている急性期病院もありますので、
ケースバイケースかもしれません。
急性期病院の魅力は給料よりも福利厚生の充実です。
母体となる病院が安定していることが多いので、安心して働けるのが魅力ですね。
例えば、院内の託児所でお子様を預けられたり、
勤務先の病院で治療を受けると医療費が戻ってきたり、資格の取得・学会の費用を負担してもらえます。
給料だけでなく、総合的に判断して転職する職場を選ぶことをおすすめします。