- 証券営業できついと感じるのはどんなとき?
- きつい分だけ年収高いって本当?
- 証券会社で働くメリット・デメリットは?
証券会社の営業というと「きついけど稼げる」というイメージを持っている人が多いでしょう。
結論から言うと、これは事実です。
営業成績がお給料(ボーナス)に直結する仕事なので、トップセールスレベルなら年収1000万円なんて普通の世界です。
その一方で、仕事はめちゃくちゃきついので、わりきって働ける人向けですね。
メリットでメリットの両方があるのは理解しておいた方が良いです。
私は大和証券に入社してリテール営業を担当後、
三菱東京UFJ銀行に転職しました。
証券会社の営業を経験した人にとって、
他業種の営業は余裕に感じると思います。
(証券営業はそれぐらいきついです)
この記事では、証券会社の営業(リテール営業)をしていて「きつい・しんどい」と特に感じる5つの瞬間をまとめてみました。
すでに証券営業をやっている人は「そうそうあるある」という感じでみていただければと思います。
これから証券会社の営業マンになることを検討している方は、転職活動前にぜひこの仕事の具体的な内容を把握しておいてください。
後悔のない決断に役立てば幸いです。
この記事の目次
証券会社の営業で「きつい」と感じる瞬間5個
証券会社で営業をやっていてきついと感じる瞬間としては、
↓以下の5つを挙げることができます。
- 証券営業はノルマがきつい
- 証券営業は残業ありの激務がきつい
- 証券営業は成績によって給料が変動することがきつい
- お客さまとのつきあいがきつい
- 会社が推奨する商品を無理にでも売らないといけないのがきつい
それぞれの内容について、順番に見ていきましょう。
1.証券営業はノルマがきつい
各証券会社にもよるのですが、支店ごとに運用商品の販売額が割り振られているのが一般的です。
この販売額を全員で達成することを求められるので、これがきついです。
↓参考までに、当時2年目だった私の毎月の目標(ノルマ)は以下のような感じでした。
- 株式の売買手数料:一か月分の自分の給料くらい
- 投資信託:新規の設定の場合は2000万円
- 国債: 3000万円
- 保険商品:一人1件
当時100名ほどの既存客を抱えていた私は、既存客への営業活動のみでは到底達成できず、常に新規顧客開拓を行っていました。
具体的には、毎日100件以上は電話営業を行っていました。
100件の電話営業を行いますが、そこからアポを取って
口座開設 ⇒ 入金 ⇒ 買い付け
に至るまでは2件あるかないか…みたいな確率です。
なので9割は断られることが当たり前である点がきつかったです。
支店の数字を達成するまでは外出禁止になることがありました。
その場合はひたすら電話営業を行い、自由に営業活動が出来ない日もあります。
アポを取って確実に成業成績を上げることが出来る場合のみ外出できるという雰囲気でした。
このようにきつく支持されたわけではありませんが、数字を達成できていない日は支店の雰囲気がピリピリしています。
特に新発売の投資信託や債券は発売日が決められているのでその日までに何としても達成する必要があります。
このような運用商品がある月は非常にきつかったですね。
2.証券営業は残業ありの激務がきつい
成績を上げ続けていればよいのですが、ノルマを達成できない日が続くと、上司から厳しい指導が入ります。
成績を上げるまで残業で誠意を見せる必要もあります。
新人の頃は7時半に出社し、夜の9時ごろまで勤務していました。
朝会で使う資料のコピーや掃除、日経新聞の読み込みを行います。
その後、日経新聞で気になる記事を各自発表し、その日の相場の動きを予想。
そこからようやく営業活動に入ります。
かなりのハードワークではありましたが、休日の出勤は認められていませんでした。
また、残業の割増賃金などはきちんと出ていました。
この辺りは大手企業なのでしっかりしていましたね。
3.証券営業は成績によって給料が変動することがきつい
入社して1年から3年くらいは固定給の割合が大きいです。
なので、ノルマが達成できなくとも、大きく給料に影響することはありませんでした。
ただ、これ以降になると成果によって給料が決まる割合が増えます。
先月よりもお給料が下がるなんてこともあり、これは精神的にもかなりきついですね。
逆に、成績をガンガン上げている人はえげつない金額のお給料をもらっていました。
当時、支店トップの成績を上げていた20代の若手社員だったのですが、
彼の場合は入社5年目で年収2000万円を超え「今年は確定申告が必要になった」と漏らしていました。
一方で、目標未達が続くと新入社員時代からみてもお給料はあんまり変わらないありさまになります。
そこから引かれる額ばかりが増え、手取りでは新入社員時代よりも低くなることもあります。
4.お客さまとのつきあいがきつい
証券営業マンが取引を行うためには、お客さまのへの商品説明や意思確認が必要です。
そのためにアポイントを取る必要がありますが、忙しいお客さまも多いです。
このアポイントを取ることがもっとも難しく、きついです。
また、成績を上げるためには新規顧客を開拓し続けることが必要で、既存客管理と新規開拓の二足の草鞋を履く必要があります。
新規開拓はリストを与えられ、電話営業、飛び込み営業、ポストインなどを行っていました。
住宅街を端から端までポストにチラシを投函しながらピンポンし、一日歩き回る日もありました。
それでも結果につながるのは1件あるかないかという点がきつい点です。
5.会社が推奨する商品を無理にでも売らないといけないのがきつい
証券会社ではいろいろな金融商品を扱いますが、そのときどきで特に会社側が推奨している商品というものがあります。
その商品を売ると営業マンとしての評価が高くなる場合があります。
こうした場合はお客様が求める商品よりも会社が勧めている商品を優先的に紹介します。
なので、自分のため・会社のための営業活動を行わざるを得ない場合もあります。
これが続くとやりがいや目的を見失ってしまいがちですね。
例えば、お客さまは比較的値動きが緩やかな運用商品で運用したいとの考えをお持ちであったとしても、
そのような商品を購入いただいても大きな営業ポイントにつながらないため、少しでも営業ポイントが高い(多少値動きがあるもの)をすすめるなんてことも普通にあります。
証券会社で働き続けるメリットとデメリット
このように「きつい」といわれることの多い証券営業なんですが、
この職業を選ぶメリットもちゃんとあります(そしてデメリットも…)
そのあたりを見ておきましょう。
メリット
成績次第では若くして高い年収を得られます。
営業成績がそのまま給料に直結するのがその理由です。
お客さまとの関係づくりに成功し、一定の成績を上げ続けることが出来ると他の業種よりも多い年収を得ることが出来ます。
デメリット
毎月ノルマを設定され、そのノルマをクリアできるかどうか?
という働き方にストレスを感じる方は非常にしんどい働き方になると思います。
成績を上げることが出来なければ、会社に居づらくなります。
(それに耐えられず、辞めていく人も多いです)
良くも悪くもゲームのように成績競争を楽しめる人向けの職業と言えるかもしれません。
そして、そのゲームに勝てたときには非常に高い年収を得られるのが魅力です。
上で紹介した人のように、年齢20代でも年収2000万円なんたことがあり得る世界です。
サラリーマン・OLとしてはこれだけ稼げる業界はほとんどないのではないでしょうか。