- 国立大学と私立大学とで大学職員の仕事内容は違う?
- 年収が高いのは私立大学?国立大学?
- 採用試験の難易度が高いのはどっち?
ひとくちに「大学職員」といっても、実際に働く勤務先はいろいろです。
勤務先の選択肢としては
国立大学・公立大学・私立大学、
さらには学校法人が運営している小中高校や、
大学病院の事務職なども考えられるでしょう。
この記事では、私自身の経験から
国立大学・私立大学それぞれの大学職員の仕事内容について解説しています。
平均年収が高いのはどちか?や、
採用難易度の違いなどについても紹介しますので参考にしてみて下さい。
この記事を書いた人
新卒で電気メーカー就職→国立大学職員に転職(教務課で3年)
その後、私立大に転職し経理・研究支援・補助金業務を担当。転職時には国立大2校と私大1校で内定。大学職員の転職方法を解説します。
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大学職員に転職するなら国立・私立どっち?仕事の特徴や違い
大学職員の仕事は国立と私立でどう違うか?
↓それぞれの職場環境の特徴を知っておきましょう。
1. 仕事内容はどう違う?やりがいがあるのはどっち?
仕事内容として何をやるか?は、基本的にどちらも同じです。
学生や教員のサポート・大学の運営などですね。
ただ、私立大学の方が職員の仕事の裁量が大きい(自由度が高い)ことは言えると思います。
自分で仕事をいろいろ提案したいタイプの人は、
私立大学がやりがいを感じやすいでしょう。
例えば、教員との定例会議を行うときです。
私立大学では職員も出席者として席に座ります。
教員主導で職員はサポート役ではありますが、発言権があります。
一方、国立大学では基本的に職員は陪席という形で出席し、直接的な発言権は無いことが多いです。
国立大学はより「公務員色」が強いと言えます。
前に出ない代わりに、会議前に教員に根回ししてスムーズに会議が進むよう資料作りを行うなどの働き方になります。
自分の意見を持って大学改革を進めたい人は、私立大学の方がやりがいがあるでしょう。
陰ながらサポートする役回りが向いている人は、国立大学の方が合うかもしれませんね。
2. 給与や待遇が良いのはどっち?
ずばり給与が高いのは私立大学です。
首都圏の私立大学では、
年収1000万を超えて教員と同じくらいもらえるというのはよく聞く話です。
ただし、私立大学の待遇はピンからキリまでであることは知っておいて下さい。
経営不振で廃止される大学もあるので注意しましょう。
大学事務って、
偏差値の高い有名大学の方が稼げそうなイメージありますよね。
ただ、これ実際は違います。
必ずしも大学の偏差値と職員の年収は比例しないんです。
国立大学の年収は、地方公務員と同じくらいと思って良いでしょう。
2019年度の調査では、国立大学職員の平均年収は約600万円でした。
私立大学よりは低いですが、
それほどハードでは無い仕事内容から考えると待遇は良い方と言えるかも知れません。
3. 働きやすいのは?残業や休暇の違いは?
私立大学の方が、大学職員の裁量が大きい分だけ仕事量や責任が増えるでしょう。
大学によっては残業が多い部署もあるようです。
ただし、休暇が長く休みが取りやすいことも、
私立大学の特徴だったりします(一方で2週間の夏期休暇がある等)
国立大学は基本的に公務員に近い扱いですね。
度を超える残業は少なく、民間企業より激務でないケースが多いでしょう。
なお、国立大学は長期休暇は私立大学ほど長くありません。
特別な夏休みはなく、一般的な盆休みのみとなります。
4. 採用方法は異なる?どっちが受かりやすい?
私立大学の採用は、民間企業と同じく就職サイトに掲載されるのでチェックしましょう。
筆記試験に加えて2〜3回の面接があります。
大規模な大学では、1回目の面接は集団面接の場合が多いです。
中堅以下の私立大学では、採用情報が大学のホームページにしか載っていないケースもあります。
勤務地が近い等、狙っている大学があれば、定期的にチェックするようにしましょう。
国立大学に採用されるには2つのルートがある
国立大学の採用方法としては、
↓以下の2つのルートがあります。
- 国立大学法人等職員採用試験を受け、大学ごとの面接考査へ進む
- 各大学の独自試験で採用される
ひとつめは1. 国立大学法人等職員採用試験を受ける方法です。
一次試験の教養試験に受かれば、大学ごとの面接考査に進めます。
国立大学法人等職員採用試験は、
公務員試験の勉強経験がある人が有利でしょう。
ふたつ目は、2. 各大学の独自試験で採用される方法です。
エントリーシートを提出し、筆記試験を受けて面接を受けます。
民間企業から転職される方はこちらを狙う人が多いでしょう。
私立大学と国立大学の受かりやすさですが、
どちらも採用人数は多くなく毎年倍率は高いです。
自分の経歴や強みに適しているか見極めてルートを選ぶのが重要になりますね。
「大学職員の求人がなかなか見つからない…」という人へ
大学職員の求人ってなかなか見つけにくいですよね。
もちろん、「とりあえず大学職員になれるならどこでもいいや…」みたいな感じで探すならたくさん見つかるとは思うんですが、
こういう探し方で見つかるのって、
たいていはブラック環境な大学職員の求人だったりします。
大学職員とひとくちにいっても、
実際に働く環境はさまざまなので注意してください。
大学職員といってもすべてがホワイトではありません。
同じ「大学職員」でも、
↓こんな感じで二極化しているのが2024年現在の実情ですね。
- ブラックな大学で働く大学職員たち
安い給料で新人研修もなくいきなり現場に放り込まれ、恥をかきながら仕事を覚えさせられ、やる気のない学生相手に誰からも感謝されず、しんどい働き方をしている人たち。 - ホワイトな大学で働く大学職員たち
最初から平均より高い給料で、しっかりとした新人教育を受けることができ、職場の仲間と協力しながらやりがいを持って働ける環境。
残業も少ないのでワークライフバランスを実現できている人たち。
↑同じ大学職員なのに、
なぜこういう差がついてしまうのか?ですが、理由は簡単です。
毎年入学者が殺到するような人気大学と、
学生にぜんぜん人気のない定員割れの過疎大学…では、
大学職員として働く環境がまったく違うからです。
大学は、学生さんたちが納めてくれる学費によって成り立っている組織です。
大学職員の給料もそこから出ています。
なので、学生に人気がなくて学費をちゃんと集められていない大学では、
経営は苦しくなり、大学職員の給料も安くなってしまうのです。
しかも、こういう不人気大学では、
人件費を少しでも安くするために、
最低限のスタッフ数しか雇用しない傾向があります。
結果的に、職員は限界ギリギリの状況で現場をまわすことになり、
土日出勤やサービス残業の横行する、
激務ブラックな雇用環境になりがちなんですね。
「偏差値高い大学 = ホワイト職場」ではない(2023年の学生数ランキング参照)
注意していただきたいのは、
必ずしも「偏差値の高い大学=大学職員にとってホワイトな雇用環境」ではないことです。
高偏差値大学の職員になれた!
…と思って実際に職場に入ってみたら、
地獄のような職場環境で体調を崩し、
退職を余儀なくされた…。
なんてことは珍しくないので、注意して下さい。
例えば、2023年の学生数ランキング(私立大学)がこちらなんですが、
↓学生数で1位は日本大学です。
↑早稲田(2位)や立命館(3位)、慶應(6位)など、
偏差値トップクラスの私大もランキングに入っていますが、
4位に近畿大学、5位に明治大学、7位に東洋大学…と、
偏差値的にはあまり有名でないところも、
学生数ではランキング入りしている「人気大学」だったりするんですね。
先にもお伝えしたように、
大学職員の給料は学生さんの納める学費から出ています。
少しでも良い環境の大学で働きたいなら、
学費をしっかり集められている人気大学で働くことが必須になります。
大学職員として「自分の職場を選ぶ」という視点で見る場合、
見るべきなのはその大学の偏差値ではなく、
学生をたくさん集められている人気大学かどうか?であることを知っておいてください。
学校法人は「大学運営だけ」で利益を出しているわけではない
また、あまり名前の通っていない大学であっても、
ホワイトな大学職員として働けるケースもあります。
大学経営そのものがうまくいっているケースがあるからです。
大学というのは「学校法人」という組織が運営しているんですが、
学校法人は大学運営だけで利益を出しているわけではありません。
なかには大学付属の保育園〜高校の一環運営などで、
しっかりと利益を出しているところもあったりするんです。
大学を「自分が働く職場」として考える場合、
見るべきなのは有名大学かどうか?ではなく、
きちんと利益を出していて、
職員の給料や雇用環境の良い大学か?
であることに注意しましょう。
私も「とりあえず大学職員になれるならどこでも…」で転職活動し、地獄に落ちました
- 大学職員になれるならどこでもいい。
- 最初はお給料が安くても、年功序列で給料アップしていくはず。
- なので、大学職員の求人を見つけたら、とりあえずかたっぱしから応募する!…
↑これ、実は私がやってしまったミスなんですが、
「大学職員ってホワイトらしいので、
とりあえず採用してもらえるならどこの大学でもいいや…」
みたいな感じで、テキトーに転職活動していました。
(大学のサイトの採用ページを毎日チェックして、
かたっぱしから応募していました)
今から考えたらアホだったなあ…という感じなんですが、
結果的にブラックな大学職員求人に応募してしまい、
最悪な労働環境に入ってしまったことがあります。
結局、その後に別の大学に転職したんですが、
今から思うと、ブラック大学で働いていた期間って本当に人生で無駄な時間でした…。
これから転職活動を始める人は、
どういう大学職員の求人を狙って応募するか?
には絶対にこだわってしぼりこんだ方が良いです。
ブラックな大学にまちがえて応募してしまうと、
貴重な人生の時間をドブに捨てることになります。
ホワイトな大学職員になりたいなら、
しっかりとホワイト大学の求人を狙って応募することが大切になります。
ここだけはきちんとやっておかないと、
あとでものすごく後悔することになるのでくれぐれも注意してください。
せっかく大学職員に転職するなら、
ワークライフバランスが良いホワイト環境で働きましょう。
お給料も高い方が良いに決まってますからね。
「大学職員の求人に特化した転職サイト」で求人を探すのがコツ
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あと、普段からいろんな選択肢を見ておくと、
今の環境がどうしてもしんどくなったら転職もあると気づけるのも重要ですね。
いい意味での「逃げ道」を余裕のあるうちに確保しておくのが大事ですよ。
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特に未経験で転職する人は要注意です。
求人を探す場所をまちがえてしまうと、
地獄のような環境のブラック職場で搾取されることになります。
私も経験ありますが、まじで寿命がちぢまりますからね…。
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