
(退職代行を使うと仕事をいつ辞めれるの?)
退職代行会社のサイトでは「いつ辞めれるのか?」という点について、
「即日退職できます」と説明しているのをよくみますよね。
では、なぜ即日で退職できるのでしょうか。
この記事では、退職代行サービスのいう「即日退職可能」のしくみについて簡単にわかりやすく解説します。
参考にしてみてください。
退職代行でいつ辞めれる?「即日退職」の仕組み
↓理由としては、民法という法律の以下のルールが挙げられます。
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。
この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
これは簡単にいうと、あなたが会社に対して「辞めさせてください」と正式に伝えた場合、
その日から2週間が経過したら、
会社側が認めようが認めまいが自動的に退職が成立するというルールです。
なので、退職代行に相談してその日のうちに退職を会社側に伝えてもらえば、
その日から2週間後に自動的かつ強制的に退職手続きを完了することができます。
退職を申し出てから2週間経たないと辞められない?
ここまで読むと「2週間経たないと退職が成立しないなら、即日退職ではないのでは…?」と思われた方も多いでしょう。
理屈だけで考えるとその通りですが、
実際にはこの2週間は「欠勤」というかたちをとれば出社することなく退職日を迎えることが可能です。
会社側としては社員(あなた)が体調不良で欠勤を申し出た場合、無理に出社させる方法はありません。
(自宅に乗り込んできて車に放り込んで…みたいなことはちょっと考えにくいでしょう)
もちろん、休んだ分は給料が減るのは避けられません。
しかし、どうしても出社したくないなら病気欠勤をしてしまえば、会社としてはあなたを無理やり出社させる方法はないのです。
有給休暇が残っているなら2週間で消化してしまおう
会社に6ヶ月以上在籍している人は、
有給休暇を取得できるのが法律上のルールです。
なので、上で説明した「退職を申し出てから2週間」の期間中に、有給休暇を可能な限り消化するようにしましょう。
会社側としては「そんなのは認めない」と、
給料から休んだ分の賃金を天引きしてくるなどが考えられますが、これはまったく違法なやり方です。
有給休暇はどのような理由であっても利用できます。
利用にあたって会社側が理由をたずねたり、拒否したりすること自体が法律上は認められません。
問題は「会社と自力で交渉」ができるか?
ここまでは退職についての法律のルールを説明しました。
法律は、労働者側にかなり有利なかたちになっていることがご理解いただけたかと思います。
しかし、問題は「会社側と交渉が、はたして自力でできるのか?」です。
退職代行の利用を検討する人の場合、
勤務先の会社がかなりブラックな体質であることも少なくありません。
あなたが上で見たような法律のルールをきちんと説明したとしても、
「だから何?」みたいな対応をとってくる可能性もあるでしょう。
退職代行を使うメリットはここにあります。
退職代行を使う場合、あなた自身は会社とやりとりをいっさいする必要がありません。
退職代行会社がすべて書類で法律上のルールに従って処理をしてくれますので、
勤務先から嫌がらせや引き止めを受けるリスクをゼロにできます。
会社から電話連絡がかかってきても無視して問題ありません。
退職代行業者から「代行業者を介して連絡するように」と会社側に伝えてもらえます。
有給休暇の消化や、未払いになっているサービス残業代の請求等も請け負ってくれる退職代行業者もあります。
どこまでの範囲まで交渉代行してくれるか?は退職代行業者によって異なるので注意が必要ですが、
会社側が強硬な態度をとってくることが予想される場合や、
自力で上司や人事部と交渉するストレスを避けたい方は、
退職代行業者の利用を検討してみるのが良いでしょう。
即日退職までの流れ
例えば、今日退職したいと思い、退職代行に相談したと仮定しましょう。
その場合、退職代行の担当者は今日中に会社に連絡し、退職の連絡を行います。
そして、有給が残っているのであれば、有給を全て消化しきってから退職を迎えることになります。
退職代行で「即日退職」が可能な理由
即日退職が可能な仕組みについては、即日で退職する場合、当日の勤務を欠勤または有給を消化するからです。
後述でもしますが、即日退職は法律上認められておらず、トラブルが発生するかもしれません。
しかし、退職代行を利用することで、当日は欠勤または有給を消化することになります。
そして、欠勤扱いとなった翌日に退職、有給がまだ残っている場合は、有給を全て消化した日を退職日にすることが可能になるという仕組みなんですね。
そのため、退職代行を利用することで基本的には即日退職で当日のうちに退職が可能となっています。
「2週間ルール」とは?
退職には2週間ルールが設けられています。
2週間ルールとは、民法第627条に定められている条件のことです。
内容については、「無期限雇用(正社員)の場合、雇用は解約(退職)の申し入れの日から2週間を経過することによって終了する」と定められています。
そのため、通常通り上司に退職を申し出て退職する場合は、最短で2週間後に退職できるという仕組みになっているのです。
社内規則が「1ヶ月前に退職を伝えること」になっている場合は?
会社によっては社内規則で退職する場合は1ヶ月や3ヶ月前に申し出ることが条件という会社もあります。
ですが、この社内規則を絶対に守らないといけないわけではありません。
その理由は、社内規則は社内だけの規則であって、法律には関係ないからです。
2週間ルールは法律によって定められていますが、社内規則はあくまでも社内だけの規則です。
2週間前に退職を申し出て、2週間経過すると退職可能なので、守る必要はありません。
ですが、引き止めやモラハラなどを受ける可能性が高いので、退職代行を利用した方がスムーズに退職できます。
即日退職と即日対応の違いは?
退職代行を利用することで即日退職ができるといわれていますが、実は退職代行は「即日退職」ではなく、「即日対応」なんです。
即日退職というのは、当日に退職を申し出て出勤せずに退職することです。
この即日退職は法律違反になる可能性があり、トラブルになりやすいといわれています。
一方で、即日対応というのは、相談したその日に、退職する手続きを会社に進めてもらうことをいいます。
そのため、退職代行業者は即日対応であることがわかりますね。
有給取得や欠勤を拒否されたら?
会社によっては、有給取得や欠勤を拒否されることもあるでしょう。
しかし有給の場合は、法律違反にあたります。
拒否すると労働基準法第39条の違反となり、
6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が課せられます。
とはいっても、労働基準法では決まっているものの、
有給を取得する際には必ず上司と相談することが必要になりますよね。
有給取得を自力で交渉できる環境なのであれば、
自力で取得してもいいですが、あまり現実的ではありません。
有給を取得できない場合は退職代行を利用して会社を退職することで、
その時点で残っている有給日数を完全に消化して退職が可能です。
損害賠償請求や懲戒解雇処分などのトラブルが発生するケースは?
退職代行で相談したその日のうちに退職することは可能ですが、
なかにはトラブルが発生するケースもあります。
実際にあった話としては、退職代行を利用して退職を伝えた方がいました。
しかし会社は、無断欠勤や出勤拒否とみなし、
懲戒解雇処分とすると退職代行の担当者から伝えられたという話があります。
また、急に欠員が出たことによる損失から損害賠償を請求されたことがあるという話もあります。
もちろん、これらはいわゆる会社側の「解雇権の乱用」というものですので、
応じる必要があるケースはほぼありません。
退職代行を利用すること自体は、
法律上は「退職意思の伝達を他人に依頼しただけ」ですので、
懲戒解雇処分になることや損害賠償請求の対象になるということはありません。